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syからkz へ__。
嘘をつける日、ことエイプリルフール。
だからこそ、いつも俺をからかってくるkzに少し過激めな嘘をついてみようと思う。
sy『ねえ、kz?』
kz『んー?』
ソファに深く身体を預け、片手に持つスマホを無造作に指の腹でスクロールしている。
その仕草はいつも通りのはずなのに、どこか遠く感じた。
最近、なんとなくkzが冷たい。
――視線はいつも、その手に持つスマホに落ちている。
付き合って三年目。
倦怠期、なのかもしれない。そんな言葉が頭をよぎる。
sy『俺たち…別れない?』
言葉にした瞬間、胸の奥がきゅっと締め付けられる。
――もし、『いいよ』なんて言われてしまったら。
俺は、その場で平気な顔をしていられるのだろうか。
耐え切れる自信なんて、どこにもなかった。
kz『…………』
口は固く閉ざされたまま、時間だけが静かに過ぎていく。
秒針の音すら聞こえそうなほど、部屋は静まり返っていた。
怒らせてしまったのだろうか。
それとも、本気で考えているのだろうか。
言葉を投げたあとも、kzの視線はスマホに落ちたままで、
あの優しい瞳がこちらに向くことはない。
sy『kz…?』
不安に耐えきれず、彼の名前を呼ぶ。
kz『なに?』
いつもと変わらない声色__。
それが逆に胸をざわつかせた。
sy『ぇ…だから、え?』
聞いていなかったのだろうか、
その予想外な反応に素っ頓狂な声が出る。
sy『だから、あの…別れないかって…』
kz『本気で言ってんの?それ。』
ようやく、kzの視線がこちらに向く。
けれどそこにあったのは、いつもの優しいピンクダイヤモンドのような瞳ではなく、 苛立ちを隠そうともしない、鋭い視線だった。
kz『はぁ…』
大きなため息が、静かな部屋に重く落ちる。
面倒くさい、そう思われたのだろうか。
――やっぱり、俺たち。
このまま、本当に終わってしまうのだろうか。
自分でついた嘘なのに、胸の奥から不安が溢れ出して止まらない。
ふいっと、kzは顔を背ける。
一拍の沈黙のあと__
kz『ふはっ、w』
堪えきれなかったように、吹き出した笑いが零れた。
さっきまでの不機嫌な表情が嘘みたいに、 心底楽しそうな表情でこちらを振り向く。
kz『そんな不安な顔してよく言えるね…w、”エイプリルフール” 楽しい?』
こちらを向いたいつもの優しい笑顔。
その一言で、張り詰めた糸が一気に緩む。
やはりこの男には敵わない。
sy『バレたか…。やっぱkzには敵わないね』
kz『まあな、syが俺の事大好きなの知ってるし。』
〃『俺が寝たあとほっぺにキスしてきてるのも、俺が仕事の時寂しくて俺の服引っ張り出してきて泣いてるのも知ってるからな。』
sy『ッ…!!!!、なんで知ってっ…ッ///』
耳の先まで熱くなるのが自分でも分かる。
kz『なんでだろうねー?』
kzからsyへ__。
桜舞うこの季節。
カーテンの隙間から差し込む柔らかな光が、部屋の中を静かに照らしている。
そして、はじまるエイプリルフール。
今日は、可愛い彼女ことsyに「別れようドッキリ」でもしようと思う。
朝早く、自分の家へと呼び出す。
急いできたのだろう、少しだけ寝癖のついた髪。 それすらも愛しくて、思わず目を細める。
彼をソファに座らせ、自分も向かいに腰を下ろす。
kz『俺達付き合ってもうすぐで4年だな。』
sy『うん、そうだね…』
低く落ち着いた彼の返事。
それが朝の静かな部屋に響く__。
kz『俺達、もう20代後半に入ってさ…もう、結婚とか考えなくちゃな。』
壁に掛かったカレンダーをぼんやりと見つめながら、淡々と話を進める。
sy『……うん、』
短い返事。
けれど、その中にわずかな緊張が混じっているのを感じた。
部屋の空気が、じわじわと重くなる。
――まあ、本音を言えば。
俺はsy以外と人生を共にするなんて、これっぽっちも考えていないのだが。
kz『だから、その時が来たら別れなきゃだよなって…』
sy『……………』
返事が、途切れる。
違和感を覚えて、隣に座る彼へと視線を向ける。
kz『……ぁ、』
目に飛び込んできたのは__
大粒の涙をぽろぽろと零しながら、
下唇を強く噛み、必死に声を押し殺している姿だった。
――完全に、やりすぎた。
胸が、ひやりと冷える。
kz『sy…ごめんっ!…ドッキリというか、別れるつもりないから…!!、ね?』
sy『ぅ”ッ~~、kzのばかッ…ぁ、っひぅッ、っ』
そう言いながら、彼は勢いよく胸に飛び込んでくる。
腕の中に収まる体が、小刻みに震えていた。
顔を埋めて泣きじゃくるその姿は、どうしようもなく愛おしい。
kz『ごめん、ごめんな?…やりすぎた。』
そっと身体を抱え、膝の上へと乗せる。
涙で濡れた長い睫毛。
ほんのり赤く染まった頬。
震える呼吸が、直に伝わってくる。
sy『ぐす、っ…』
鼻をすする音が、小さく響く。
息をするたび、腹の辺りががひくっと痙攣している。
kz『許して、sy…』
sy『許す…けど、』
涙で滲んだ瞳が、まっすぐこちらを見上げる。
kz『けど?』
sy『これからもずっと一緒じゃないと…許さない、から…』
――胸が、ぎゅんっと強く鳴った。
普段は人を縛るような言葉を口にしない彼が、
「ずっと一緒」なんて言うなんて。
kz『もちろん。ずっと一緒な』
sy『うん…一緒、がいい…っ』
いつもよりずっと素直で、無防備な姿。
その可愛さに、思わず息を飲む。
kz『sy知ってる?』
sy『何を…?』
kz『エイプリルフールでついた嘘って叶わないらしいよ』
その言葉に、syはぱちりと目を見開く。
sy『え、てことは…俺達別れない?』
kz『うん。別れないね…ずっと一緒』
sy『ふへ…w、嬉しい…』
安心したように笑い、そのまま首に腕を回して抱きついてくる。
体温が重なって、心臓の音がやけに大きく聞こえた。
kz『うん。sy…ベッド行こう』
sy『…ぇ?』
朝の光に包まれた部屋で、
二人だけの甘い時間が、静かに始まろうとしていた__。
⋆˳˙ ୨୧…………………………………୨୧˙˳⋆
連載作品書く間の息抜き短編です🙃🙃
1日遅れですが、エイプリルフールのネタです
syからkzへのエイプリルフールとkzからsyへのエイプリルフール。
違う世界線の話として見てくださいˊᵕˋ
furmバージョンも書こうかな…🤔💭
良ければ感想ください💬
.:° 🌾🌾╰(ˇωˇ )╯🌾🌾;。:*
コメント
3件
めっちゃ最高でした!やっぱkzさんが常に余裕なのいいんですよねぇ〜!でも泣いちゃった時だけ焦ってるのがまたいい!( ´ཫ` ) リク...?になるかもなんですけど、攻め側が別れようと言われて焦ってたり、余裕なさそうにしてるのも見てみたいです!私の完全なる性癖です!w
エイプリルフール編!?ありがとうございます!!今回も最高でしたッ、、、(´ཀ`」 ∠)はぁぁ〜やっぱりしゅうとさんはかざねさんには敵わないですね〜かざねさんはしゅうとさんに対してめっちゃ優しくなるしッ、、、ずっと推していけます、、、ふうりも編も見たい気持ちありますが、湊斗様が無理せず程度で頑張ってください!!

今回も最高過ぎます!嘘がバレバレなsyuさんも余裕ありすぎマンなkzさんも良すぎだし、悲しくて泣いちゃうsyuさんも可愛すぎだし🤦♀️ ありがとうございます!!