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私は不安と痛みに耐えきれず祖父に電話をした。
「おじいちゃん私、おじいちゃんの約束破ってあの井戸にいっちゃって、そしたら何もかもがおかしくなって。。。イライラするし、そこらじゅう痛いし、言葉は汚くなり、タバコまで吸い出して自分じゃないみたい。」
祖父から出た言葉は意外なものであった。
「あの村の井戸にいってしまったのか。凛子すまぬ、、すべてわしのせいじゃ。。。」
「おじいちゃんどういうこと?」
「東京とここでは何もできん、お前を支配しようとしているものと交渉するのだ、何が望みでなにと引き換えなのか」
祖父の言葉の意味とは。。。
凛子は祖父に言われたように心の中で支配しているものに何が望みなのかを念じてみた。それは地響きような振動を帯びた声で答える
「腹が減った、、、賑わいのある寺院か神殿に行けそうしたら少しだけ休ませてやる。カッ カッ カ(笑)」
凛子にはそう聞こえた。
「一体あなた何者なの?」
「それよりも死にたくなければいけ」
「うぅぅ。。。」渇き・痛みが凛子に襲い掛かる。引いては寄せる波のように
凛子が思いついたのが浅草寺であった、初めてlive配信をした場所、ここからもそう遠くない。立ち上がり部屋かでると悪寒が襲ってくる、夏というのに身震いが収まらない。
#朦朧__もうろう__#としながら、雷門の前でしゃがむ。フードを深くかぶり行き交う人の足音だけが聞こえる。
人が通り過ぎるたびに耳元あたりに生暖かいものが触れてくる。
少し顔をあげると人という人から青白い綿のようなものが自分に向けてゆっくりと流れてくる。
(ガシッ)
凛子の背後から腕が伸びてそれを掴んだ。
細い腕だか緑の肌に黒い血管が浮き出ていた。指先は細く鋭い黒い爪。一眼見てよからぬモノの手だとわかる。
青白い綿のようなものを掴んだ手は凛子の耳を#掠__かす__#めていった。
行き交う人、行き交う人からそれを根こそぎ掴んでいく。
「人の邪念は美味いが量が少ない」背後にいるものがそう呟く。
浅草の門前街に雨が降り注ぐ雨の影響で人通りも少なくなってきた。
(スー ハー )(クン クン クン )
「近くにご馳走がいるなぁ。。小娘、ご馳走を探せ、さもなくば、苦痛を与えてやるぞ、カッ カッ カッ(笑)」
凛子は雨煙の中、目を凝らす、1人の青年がこちらに向かってくる。
「カッ カッ カッ(笑)こりゃご馳走をぶら下げたガキがむかってくる、あれを取り込むか!」
背後にいるものはあの青年がご馳走のようだ。青年は凛子の前で立ち止まる。
雷鳴が響き渡り、雨が止んだ。止んだというより止まった、いや静止してるような感覚。
凛子は意識が薄れてきた。
青年は一歩づつ近づいて、二人は抱き合うようにして崩れ落ちた。
薄れている意識の中、青年の声が聞こえる。「大丈夫ですか?起きてください」
凛子の瞳はゆっくりと開いた。
「なんだなんだ⁉️何があった」凛子は青年を突き倒し動揺していた。
「凛子さんも僕も気を失ってたんです」
「なんで私の名前しってるだよ、てかお前誰だ?」
「すみません、SNSで凛子さんのこと知ってて。。。僕は誠といいます。」
「あっそ。てか私なんか体調は悪いし、イライラが収まらないから、もう帰るわ」
誠から見ても、凛子はいつもの凛子ではなく体調も悪そうに見えた。
凛子はよろつきながら、雷門から離れていった。
「いたたたぁ」凛子
「うぁーっ」誠
2人は同時に悲鳴をあげた。誠は頭部の痛みに耐えながら凛子に近づく。すると凛子に近づくにつれ、痛みが引いていていく。
「はぁ、はぁ、はぁ、お前何した?」凛子は誠を睨みつけながらそういった。
「何もしてませんよ」凛子はタバコに火をつけ咥えタバコをしながらまた誠の前から立ち去った。「いたたたたぁ」「うぁーっ」
2人に激痛が走る。
誠は這いつくばりまた凛子の元へ行く。やはり痛みが和らいでいく。
「なんだんだお前から離れると、頭が割れるような痛みが。。。」
「しかたねぇ、着いてこい」凛子はそう言ってフラフラ歩いていく。
誠は凛子の背中を見つめながらボーっと立ち尽くす。
凛子は振り返りこう言った。「離れんじゃねぇよまた激痛がくるだろ」
「ごめんさない」誠は小走りで凛子に着いていった。
浅草からそう遠くない、都内の古いアパートリックサックからジャラジャラと部屋の鍵をだす。
鍵を開けて凛子は部屋の中へ
(バタンっ)
(バタンっ)再び扉があく
「なにやってんだょ、お前も入れよ」
「ありがとうございます。」
凛子は窓際のハンガーに掛かっている、タオルを取り誠に投げる。
「ずぶ濡れだろ、拭けよ」
部屋は4畳くらいのワンルーム布団とテーブルとハンガーラックと衣類ケースくらいしかない。華やかなインフルエンサーの凛子の部屋と思えない風景であった。
誠は髪を乾かすため脱衣所へいく。
凛子はキッチンでお湯を沸かし祖父に電話をする。
「おじいちゃん、やっぱり私の背後にこの世のモノでないものがいる。」
凛子は浅草の出来事を全て祖父に話した。
「そいつの狙いは力をつけてお前を乗っ取る事だ。なんとか条件をつけ自分から離れるように交渉しなさい。わしみたいな老耄じゃ身代わりになれないだろう。」
「身代わり、一体、私に何が憑いてるの?」
「お前が怯えてしまうから、会ってから話そう、とにかくワシの所に戻ってきなさい、そして必ずそいつと、自分から離れる条件の契約を交わせ、わかったな」
「わかった。おじいちゃんまた電話する」
凛子はポケットにスマホをしまう。