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誰も知らない、高嶺の花の裏側2
第57話 〚選ばれる仮装、弾む笑顔〛(全体)
放課後。
7人が向かったのは、駅前のショッピングモールだった。
エスカレーターを上がって、
ハロウィンの装飾が目立つフロアへ。
「ここだよ!」
えまが指さした先には、
仮装と衣装専門店——《トリックワールド》。
店内は、オレンジと紫でいっぱいで、
マネキンたちが楽しそうに並んでいる。
「うわ、種類多っ」
「迷うね」
それぞれがラックを見て回る中、
玲央が、えまの前で立ち止まった。
「えまさ、これ似合うんじゃない?」
差し出されたのは、
ふわっとしたかぼちゃの衣装。
「え!? 私!?」
半信半疑のまま、更衣室へ。
——数分後。
カーテンが開いた瞬間。
「……」
一瞬、全員が固まった。
オレンジ色のかぼちゃ衣装に、
えまの笑顔がぴったり合っていて。
「……えま、可愛すぎ」
澪がぽつり。
「それ反則でしょ」
しおりも即答。
「写真撮っていい?」
みさとがスマホを構える。
「ほんとに可愛い!」
りあも目を輝かせた。
「ちょ、やめてよ!」
えまは顔を真っ赤にして、
フードを引っ張る。
「似合いすぎたか」
玲央が笑う。
「うるさい!」
でも、その声はどこか嬉しそうだった。
そこからは、一気に決まった。
澪は、少し迷ってからナース。
しおりは、なぜか厳かな宗教みたいな衣装。
みさとは、クールな狼。
りあは、黒い帽子の魔女。
海翔は迷わず吸血鬼を手に取って、
澪をちらっと見る。
「……似合うと思う」
玲央は最後に、
笑いながらフランケンシュタイン。
「俺、これでいいや」
レジに並びながら、
袋を抱えた7人は自然と笑っていた。
「早く着たい」
「当日楽しみすぎ」
澪はその輪の中で、
胸が少し温かくなるのを感じていた。
(みんなで選んだ衣装……)
ハロウィンは、まだ先。
でも、確かに——
楽しい未来が、
少しずつ近づいている気がした。