不動産屋見てみるかと向かっている2人。つぼ浦は喜びを隠せずいつもより更に声が大きい。
「はぁー家か!家な!!」
「何から決める?場所?」
「まずは予算じゃないすか?2人合わせていくら集まるか。」
「いや良いよ、俺が全額出すから。」
「え?そんなんダメに決まってるだろ、2人の家なのに。」
「ちなみにつぼ浦はいくら出せるの?」
「えーと…今全財産が4億ちょいだから3億5千…いや3億9千万…」
「そんなギリギリまで出さなくて良いよwてか桁違いに贅沢しない限りは間に合うから。」
「アオセンはいくら持ってんの?」
「つぼ浦の10倍はあるかな。航空機ディーラー舐めてもらっちゃぁ困りますよ。」
「嘘だろマジかよ…俺の主な収入源経費申請だってのに…」
「お前それ俺に言うな?仮にも上官だぞw…まぁだからお金は心配しなくて大丈夫だよ。」
金銭事情の差に衝撃を受けるが青井だけの負担になるのは納得がいかない。今言い合っても断られるだけなのは分かりきっていたので寝てる間にこっそり振り込んでおこうと企んだ。
「場所は?本署の近くにする?」
「んー…海沿いとかどうすか?自転車屋らへん。」
「おー海沿いか、良いね。つぼ浦らしいな。」
「アオセンはどこでも良いんすか?」
「そうだねー極端に街から離れてなければ場所に拘りは無いかな。オーシャンビュー良いじゃん。」
期待に胸を踊らせながら到着した。資料と照らし合わせながらモデルルームに入ってみる。
「俺ほしい家あるぜ!枯山水がある和風の家!」
「え?そんなんあんの?」
「どれだったかな…これだコークラボ!入るぜ!」
いわゆる「おクスリ」を作る施設だ。警察官が購入を許されるのかどうかは分からない。
「お前これ終わってるw家じゃないだろどこで寝んだよw」
「その端っこにベッド置けるしょ。ほらこれが枯山水。」
「これ枯山水って言ってんのかよw却下です、出るぞw」
「えぇーめちゃめちゃ良い家なのに…」
「はいつぼ浦君真面目に選んでねー。」
「俺はいつでも大真面目だぜ。アオセンは気になる家無いんすか?」
「そうだなー値段的にはこことかここ…つぼ浦自分の部屋ってほしい?」
「あー…ほしいかな…」
「じゃあリビングキッチン、それぞれの部屋、寝室…バスルームは大きいのが良いか。家具はいらないよな、お前ハウジング得意そうだし。」
「でもあんまり広い家だとハウジング大変で時間かかるぜ。」
「じゃあほどほどにしよう。この条件で当てはまるのは…」
いくつか候補が決まったら次は現地に物件を見に行く。青井はなんとなく目星をつけるだけのつもりだったが、つぼ浦は今日買う気マンマンだ。
「あそこは?あそこも良いな!ここもすげぇ!」
「お前ちょっと落ち着け?w今日決めなくたって良いんだから、じっくり考えよう。」
「でも早く買ったら早く一緒に住めるんだぜ?」
「いやまぁそれは嬉しいけどね…あ、ここは?」
「おー良いな!見てみるか!」
「…うわガチで良いな。色合いが好きだわ。」
「じゃあここにするすか!決定!!不動産屋に頼もうぜ!」
「いやちょっと待て、話し合おう。」
じっくり考えようと説得するが早く早く、誰かが先に買っちゃうかもと急かされる。悩んだが押しに負けた青井が不動産屋を呼び、購入した。
「ついに!俺達の家が!!!」
「買っちゃったな…まぁ悩んでも結局変わんなさそうだったし。」
「入ろうぜ!!」
まだ何も無い広い部屋のど真ん中に寝っ転がるつぼ浦と、その隣に座る青井。
「こんなに広い。はぁー2人の家だ…アオセン!!!」
「うん、嬉しいな。ハウジング頼むね。」
「これは頑張らないとな!」
反響して一層大きく聞こえるつぼ浦の嬉しそうな声とキラキラ輝く瞳。青井は今日買って良かったと微笑みながら安堵した。
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