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拠点に帰ると、クロコダイルがいた。
「あ。休憩ですか? 俺コーヒーいれますよ」
「頼む」
キッチンに入ってお湯を沸かす準備をする。クロコダイルはいつも通りソファに座って新聞を読んでいた。
「どうぞ」
「ああ」
カップに注いだコーヒーを手渡すと、クロコダイルはそれを受け取った。うん、これこれ。落ち着く…。カフェオレでほっと一息ついてから俺は先ほどあったことを話す。
「絡んでくる輩が多くて困ります」
俺がそう愚痴を言うと、クロコダイルは眉間にシワを寄せた。あれ、何か変なこと言ったかな? そう思って首を傾げると、クロコダイルはため息をつく。そして、俺の頭に手を置いた。
「……?」
すりすりと撫でられて、俺はされるがままになっている。クロコダイルの手は大きくて温かくて、安心する。
しばらく撫でられているうちに眠気が襲ってきて、俺はうつらうつらと船を漕ぎ始めてしまう。それから俺は、クロコダイルの体温が心地よくて、そのまま眠ってしまった。
クロコダイルside
人の手の中ですやすやと間抜け面で眠りこけるその顔を見つめる。
普段狐の面で顔を隠しているくせに、おれの前では簡単に外し、こうしてあどけない寝顔を晒すその姿は、まるで赤子のようだった。
ドフラミンゴに触られた時はあんなにも怯えていたというのに、おれには無防備な姿を晒している。信頼されているのは悪い気はしねえが、なんとも思われていないような気もして複雑な気分だ。まあ、今はまだそれでもいいか。いつかコイツが自分からおれの元へ飛び込んでくるまで待つとするか。
それまではこのぬるま湯のような関係に浸っているのもいいだろう。
そう考えて、もう一度頭を撫でる。
「んん…」
小さく唸り、身動ぎをするだけで起きる気配はない。
コイツは人に好かれやすい。コイツが身に着けているアクセサリーはすべて他の奴からの贈り物らしい。この間、眉を下げながら語っていた。かくいうおれもコイツにピアスを贈っている。
「ジェイデン」
名前を呼んでも、眠っているコイツは反応しない。
おれはジェイデンを抱え上げ、ベッドへと運んだ。