テラーノベル
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***
(KAIRYU視点)
「もっかい今のとこからやろうか、」
ライブのリハーサルが始まって、数曲通したところでたっくんが皆に声を掛ける。
「そうやね、」
ランが答えて、皆も配置についた。
いつものスタジオとライブ会場では、広さが違うため距離感を掴むのが難しい。
今日の会場は初めての所だから難易度はより上がる。
「音お願いしまーす!」
たっくんの合図で音がかかる。
♪︎〜
「っ、やばっ、!」
「っ、うわっ、!」
移動ですれ違うところで、距離感が掴めずランとぶつかり、尻もちをついた。
「っ、いって…」
「カイリュウごめんっ、大丈夫?!」
ランがすぐに手を差し伸べてくれて、立ち上がる。
「いや、今の俺がミスってん、ほんまごめん、…っいてて…」
「カイリュウ、ちょっと休も、…ごめんたっくん、ちょっと養護室行ってくる」
「うん、わかった」
「いやラン、大丈夫やで?」
「今無理すんなって」
ランの必死な顔につられて、手を引かれるがまま養護室に向かった。
***
「カイリュウ、本当にごめん。大丈夫?」
「大丈夫やって、気にせんでええから。てか俺がミスってん、ほんまごめんな」
ランにベッドに座らされ、心配そうな顔で見つめられる。
「本番あるし、ちょっとここで休んでこ?」
「でもあんまり時間ないで?もう大丈夫やって…、っい、た」
「痛い?!」
咄嗟にランが腰をさすってくる。
急に触られたせいで身体がビクッと反応してしまい、顔が赤くなる。
「っ、あ、ご、ごめん!!」
「っ、い、いやいやええねん!」
俺の反応に即座に手を離すラン。
なんでお前も顔赤いねん!
なんか変な感じになるやんけ…!
お互いなんだか恥ずかしくなって、少し沈黙になる。
あかん気まずい気まずい。
「…カイリュウ、」
「ん、ん…?」
「…普通に接してくれてありがとうね?」
「っ…いや、…普通、に、できてる、?」
「できとるよ(笑)」
「お、おん、ならよかったわ、(笑)」
「…好きでいさせてくれてありがとう、」
「っ、なんやねん急に…っ、」
「いや、なんていうか、、言いたくなったんよ(笑)」
そう言って照れたように笑うラン。
照れてもイケメンやな。
なんやねんこれ、少女漫画か。
俺なんかキュンとさせてどないすんねん、
…いや、なにキュンとしてんねん、っ
「…お前男前でずるいねん、」
「なに急に、?(笑)」
「言いたくなっただけ」
「そ、そうなん?うん、ありがとうね?(笑)」
「…俺、もうちょっとしたら戻るから、ランは先戻って」
「…うん、わかった、無理せんでよ?」
部屋を出るまで心配そうな顔で俺を見ながら、戻っていくラン。
ドアを閉め終わったのを確認して、ベッドにへたれこむ。
「…っ〜…くうぅ…っ//」
顔を伏せて、思わず小さく唸った。
心臓が大きな音を立ててドキドキしていて、気持ちを自覚するにはあまりにも容易かった。
コメント
2件
ほんとに毎回みちさんの話解像度高すぎます!!大好きです!!