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「ただいま…」

俺はそう言いながら玄関の扉を開ける。

「凸さん!お帰り!」

「うわ!」

さもさんが俺を押し倒す勢いで抱きついてきた。

「構って!構って!」

「う、うん。その前にさもさん…」

「なーに?」

「その…学校で嫌なことなかった?」

俺がそう言うとさもさんは首を傾げた。

「嫌なこと?何もなかったけど?」

「そっか…よかった…」

さもさんが学校で虐めとかにあってないっぽくて俺はほっとする。

「それより構って!」

「はいはい…」


………えーっと…どうやって構ってあげたらいいんだろ…

「凸さん!」

「ん?」

「ぎゅーってして!」

「え、あ、うん」

俺はさもさんのことを抱きしめる。

「えへへ〜」

…か、可愛い…

俺はさもさんの頭を優しく撫でる。

「…え」

「?」

なんかさもさんの顔少し赤い気が…気のせいか?

「…凸さん。」

「な…何?」

「…キスして?」

さもさんが上目遣いで俺を見てくる。

「はえ?」

びっくりして変な声が出る。

「…さもさん、前にも言ったけどキスはまだ早い…」

「なんで…」

や、やばい…さもさんめっちゃ泣きそうにしてる…

……………

「…さもさん」

「……………?」

「今回だけね?」

さもさんの唇に俺の唇がそっと触れる。ほんとにそっと触れるぐらいのキス。

「………ふえ?」

唇を離すとさもさんが凄く顔を赤くしていた。

「…えっと、さもさん?」

「………………………」

さもさんは無言で俺の胸に顔を埋めてきた。

「…???」

俺はよく分かんなくてさもさんの頭を撫でた。

次の日からはいつも通り「好き」とか言ってくるけど、結局さもさんの様子がちょっとおかしかったのはなんでだろ…?

さもさんの恋の距離がおかしい

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