「まずい……」
私は日本。
今私は相当に焦っている。
絶望も交えながら。
「返済が追い付かない……」
ウクライナさんへの支援やらアメリカさんからの依頼などで大量に借金をしてしまったのだ。
これは自分の問題としか言えない。
借金は自分でしてしまっているのだから。
「どうしました?」
通りすがりに国連さんを声をかけられた。
もはや自分独りの力では解決できないため、事の全てを話した。
案の定、君がそんなことをしでかすのかと意外のような表情をしていた。
私が絶望していることを悟ったのかすぐに一つの提案をした。
「どこかの国に属してみるのはどうです?」
「え?それって…」
そんな大胆な方法があるのかと驚愕した。
いや、今の私の感情はあってはならないことであろう。
要は国としての主権を失うのだ。
植民地と言っても良いようなことだ。
そんな重大なことなのに私はなぜか安心してしまうのだ。
まだ国としての信用を落とすよりはマシに聞こえてしまう。
次に呟いた言葉に気づいた時にはもう後には戻れないとわかった 。
「……しかし、誰に?」
「それは君が希望して相手が承諾すれば…」
うーんと国連さんが悩んでいるとまた声が聞こえる。
なぜかどこかに企みを感じた。?
「なにを話してるんです?」
「ああ!丁度良いところに!」
すぐに事情を話すとイギリスさんは納得した様子で、
「ええ……良いですよ…」
「良かったですね、日本さん」
「え?本当に良いんですか?」
と言うのは持っている国債を国連さんと折半で負わなければならないのだ。
たとえ五割だとしても財政としてはとても大きい。
それを躊躇することなく首を縦に振ったのだ。
なにか裏があるようにも感じたがそれは当てにはならないかな?
「なら早速私の家に向かいましょう♪」
「まだ仕事が、」
それはこちらで承っておくと国連さんに告げられたのでイギリスさんの家へと向かった。
「………」
「紅茶、飲みます?」
「はい」
思えばイギリスさんの家へ上がることなどこれまで一度もなかった。
図書館のような心地よい香りが部屋に漂っている。
紅茶をつくっているあの人は凄く上機嫌だ。
「そんなぎこちなくしなくて良いんですよ」
淹れたての紅茶のカップを渡しながら微笑む。
「家に上がらせてもらうこともなかったので」
「これからはここが貴方の家なんですから」
はっとした。
そうなのだ。
もう私には主権はない。 イギリスさんの属国なのだ。 その瞬間不安に襲われた。
もしイリスさんが私を虐げたら? 奴隷のように扱われたら?
私はことの重大さをわかっていなかった。 これは後々にも関わってくるのに。 それを易々と決めてしまった。
注がれた紅茶が小刻みに波をたてている。
「日本さん…」
カップをテーブルに置くよう指示された。
仕方ないと腹を括っていたが、想像とは大きく違った。
優しく抱き締められたのだ。
ふわりと香水の良い香りがする。
サスサスと背中をさすりながら大丈夫ですよと落ち着かせてくれる。
「私は貴方な思っている様なことはしませんよ」
「うう…ありがとうございます…グスッ」
「泣かないでくださいよ」
「怖かったんです…」
「よく頑張りましたね」
「うう…(ん?なんだか眠い……) 」
「スースー……」
「日本さん?」
「………(グッスリ)」
「おやおや…寝てしまうなんて…」
まあ、私が睡眠薬を入れたんですけどね♡
「寝室で寝ましょうか♪」
女性のような小柄な体を抱き抱え、寝室へと向かった。
「んうう……」
「ふふ♡お休み……」
[バタン]
「…………ふふ…♡」
「ふふ♡ふふふ♡」
「ぐっ………あははははははははは♪♪」
笑いが止まらない!!
こんな形で彼を手に入れられるなんて!
彼にはもう主権なんて存在しません。
なにをしたって良い。!
いつも探ってた。
彼を手中に収められないか。
わざわざ監禁する手間も省けましたよ♪
なぜ国連さんがあんな提案をしたのかは分かりませんが、
日本さん?
これからはずっとずっと一緒です♡
コメント
4件
まじで好き。 これからどうなるのか、、、グヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘ
なんか、ものすごく殺圧がすごすぎる、押し粒されそうな感じですな