アメリカend
夏が始まる頃、僕とアメリカ君は正式に「付き合っている」と言えるようになっていた。
クラスでは誰も気づいていない。
ただ、放課後になると二人は自然に一緒にいて、
アメリカ君の笑顔の中に“特別”な温度があることを、僕だけが知っていた。
「日本、今日も髪いい匂いするな」
「……またそんなことを」
「だって本当のことだし」
アメリカ君はいつも通り明るく笑う。
でも、時々、その笑顔の裏に何かが見える気がする。
友達と話しているだけで、アメリカ君が少し眉をひそめる。
知らない男子が僕に話しかけただけで、手が伸びてくる。
まるでマーキングのように、肩に触れてくる。
「他の奴とあんま話すなよ」
「え……でも」
「俺が見てないとこで、笑われるの嫌なんだ」
その言葉に、僕は返す言葉を失う。
でも、不思議と怖くはなかった。
むしろ、アメリカ君の手の温度が安心に変わる。
……これが恋なんだと思った。
だけど夜、ふとスマホを開くと、
アメリカ君からのメッセージ履歴がびっしりと並んでいた。
「今どこ?」「誰といる?」「寝た?」「おやすみ」
まるで呼吸のように途切れず続いている。
僕は少し笑って、その画面を閉じた。
怖くても、離れられない。
アメリカ君が笑うなら、それでいい。
──気づかないふりをした。
自分が、もう完全に“彼”の中に閉じ込められていることに。
以上です。
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コメント
1件
投稿感謝です✨️✨️ ふぉぉぉぉぉ!!アメ日endは束縛エンドかっ...!! 露日、アメ日、それぞれ別の良さがあってめちゃくちゃ美味しかったです!!(意味深)