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MEN side





おんりーちゃんは、時々、クールじゃなくなる。そんな朝がある。


「…………めん~~~………。」


あなたは、よく、泣いているから。


できればその涙をぬぐうひとになりたい。

だけどそれは遠くて、きっときっと、宇宙くらいには何も解んなくて、掴めない、午前3時の話だったり、するのだけれど。




「めん…、ん、んぁ~…、おきれない゛~……」

「はいはい。」

「んにゃ、ぁ、ん~…」


んね、ね。今日くらいは、さ。

死ぬほど甘えたっていいよ。死んじゃうくらいには、支えさせてよ。


「めん、めん、…にゃ~……、?」

「…にゃあ。」

「にゃ。!」

「ん。」

そんで、猫になる。漫画でもなんでもないから、ただの鳴き真似だけど。掴めないあなたの、しっぽ、少しだけ、見える。



「にゃにゃにゃ~~……ぁ~…」

「いいよ、今日どっちがいい?」

フレンチトーストか、鮭定食。ね?

「…ん~~…、…よ~…。」

「おっけ~」

洋食、の洋ね。なかなか解りづらいが、まぁそこが、良いのだが。


「……たてないぃ…。」

「ふはは、おひめさま。」

「やめろにゃ…。」

15°下から、きゅっ、て、猫みたいに睨み付ける。いとおしい目だった。

「ごめんだにゃ」

「にゃあ~~~………」


まだ寝ぼけ眼のあなたを、いじらしく想った。




「んにゃー……、」

ぼろぼろ、おぼつかない手でひたすらに食物を口に運んでいく、なるほど、動物、らしい。


「おんりーちゃん、パンくず、ついてるで」

今日は、仕事だってあなたの電源だってオフだから、少しくらい死んでいたっていいじゃない。

「めんとってぇ…」

「おう。…ん、」

 

ぺろ、と舐めたフレンチトーストの欠片は、ひどく甘ったるくて、

こんなんじゃ、眠気のひとつだって醒めるわけないじゃない、って。


ハネた髪の毛の一本にキスしたくなっちゃった。



「……もう食えないにゃ………」

「いいよ、俺もらうから」

「ん~~~~~……………………ねる………。」

「そっか」


こういう日は、いつものこと。ごはんだけ食べて、二度寝。

ねぇほんとうに、にゃんこみたい。ね。




「……ふふ、」

いいよ。いいよ。いいよ、ねぇ、今日だけでも。

「……。」


好きなだけ眠って、好きなだけだらけて、好きなだけ甘えて?そうして、また、あした、昨日なんて忘れたって口を尖らせてくれればいい。




「…おやすみ、おんりーちゃん。」


「……~~……~…………、………。………………。」



おやすみ、俺だけのプリンセス。


午前10時、あなたを、壊さないでいたいと、それだけを思っていた。

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