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―― 教室に入るやいなや、一度周囲は静まり返り、 またザワつき始めた。
自席へと足を運ぶが。
――嘘だろ……。
本当に俺はこのたかが1週間で存在が消えてしまったのか……?
いやいや、そんなはずがない。
あれ程にしつこくいじめられてきたのだ。
こんな急に、開放されるわけが――。
――そう思った時、新学期が始まって間もない時のことを思い出した。
4月18日。
風が強く、 どんよりと雲がかった日だった。
教室に入るや否や、自分の机がサッカー部のイケメン中心に占領されていた。
これはよく俺のような境遇の奴らにはありがちな事で、ここは黙ってトイレに引きこもってないといけない訳なのだが·····
「そこは俺の席なので別の空いている席でやってもらっても大丈夫――」
「あ?」
一瞬で自分に視線が集まった。
3拍空いて、嘲笑が起きた。
「行こうぜ〜」
「隅っこのくせに出しゃばんなって〜」
そうやってイケメンは言い、囲いの女子達も何処かにへと 撤退した。
それからというもの、俺は何を思ったのか一軍陽キャに反抗的な態度を取ってしまったのだ。
例えば、借りるねという一言も言われずに俺の消しゴムを取られ使っているのを注意したり。
それらの注意が癪に障ったのか、ノートを知らない間に取られゴミ箱に捨てられたり、破かれたり。
悪い時はノートに、何処かで拾ったのだろうゴキブリの死骸をテープで貼られていた。
――徐々にいじめはエスカレートしていった。
今までは直接的にいじめられたりはしていなかったのでマシな方だった訳なのだが、金銭的な問題になってしまったのだ。
ただでさえ生活すること自体が困難なのだが。
いつしか少人数でいじめられてきていたのを、大人数でいじめはヒートアップし、他のクラスメイトにも距離を取られるようになった。
結局何が言いたいのかというと、いじめっ子は気分でいじめられっ子をいじめる。
勝手に初める。
――だから勝手に終わらす。
結局、皆はその時の気分なのだ。