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あ
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「おーい、いるま! 次の移動教室、一緒に行こうぜ!」
いつも通り、LANが笑顔で僕の席にやってくる。その周りには、なつも、すちも、こさめも、らんまもいて、僕の周りはいつだって騒がしくて、温かかった。
僕たちは、学校でも評判の仲良しグループ。この時間が、ずっと続くんだと信じていた。
――あの日、クラスの一軍男子グループのリーダーに、裏校舎へ呼び出されるまでは。
『なぁ、いるま。お前さ、最近ちょっと調子乗ってね?』
ニヤニヤと品定めするような目で、一軍の奴らが僕を取り囲む。
『お前、あいつら(シクフォニ)といつも一緒にいるだろ。目障りなんだよ。……なぁ、今すぐあいつらと縁切れよ』
『は? 何言ってんだ、断るに決まって――』
『断ったらさぁ』
一軍のリーダーが、僕の胸ぐらをぐっと掴んで顔を近づけた。
『あいつらのこと、全員この学校にいられないようにイジメ抜いてやるよ。俺の親、ここの理事長と繋がってんの知ってるだろ? あいつらの『未来』を潰すのなんて、一瞬なんだわ』
頭が真っ白になった。
僕のせいで、大好きなみんなの夢や未来が壊される? そんなこと、絶対に許せない。
僕が傷つくだけならいくらでも耐えられる。だから、僕は覚悟を決めた。
次の日の放課後。教室に残っていたシクフォニの5人のもとへ、一軍男子たちがぞろぞろと近づいていった。
「お前らさ、いっつもいるまと一緒にいるけど、マジで哀れだな」
一軍のリーダーが、机に腰掛けてフッと鼻で笑う。
「あ?」となつが鋭い目を向け、LANが「何のことですか?」と冷ややかに返した。
「いるまの奴、裏でお前らのことボロクソに悪く言ってるぞ?『あいつら陰キャの集まりでマジでキモい』『踏み台にしてやってるだけ』ってさ。あいつ、お前らのこと大嫌いなんだってよ」
「……は? そんなわけないじゃん。いるまがそんなこと言うはずない」
こさめが怒りで声を震わせる。すちもらんまも、冗談じゃないとばかりに一軍を睨みつけた。
そこへ、あらかじめ一軍に指示されていた通り、僕が教室に入ってきた。
5人の視線が一斉に僕に集まる。その目は、僕が「そんなの嘘だ」と否定してくれるのを縋るように待っていた。
ごめん。本当に、ごめん。
僕は心の中で血を流しながら、顔にはこれ以上ないくらい冷徹で、軽蔑しきった笑みを浮かべてみせた。
「あぁ、……バレちゃったか。隠し通すの、結構めんどくさかったんだよね」
「いるま……? 何、言って……」
LANの声が震えている。
「仕方ねぇな。……そうだよ、俺、お前らのこと本当は視界に入るのも嫌なくらい嫌いなんだよ。今まで仲良しのフリしてたのは、ちょっと利用価値があると思ったから。でも、もう飽きたわ」
心臓が、内側から握りつぶされるように痛い。
5人の顔から、一瞬で血の気が引いていくのが分かった。信じていたものに、根底から裏切られた人間の顔だった。
「これからはお前らと絡みたくないから。二度と話しかけてくんなよ」
言い切った僕の肩を、一軍のリーダーがガシッと抱き寄せた。
「あはは! 聞いたかよ、お前ら! ほら、いるま〜、行こうぜ。今日カラオケ奢ってやるよ」
「おう、行くわ。あいつらといるより、お前らといる方がよっぽど楽しいしな」
僕は一度も振り返らずに、一軍男子たちについて教室を出た。
あとに残されたシクフォニの5人は、引き止める声すら出せなかった。いるまの口から出たあまりにも冷たい言葉。そして、一軍の奴らと楽しそうに去っていく後ろ姿。
(あいつ、本当に俺たちのこと……)
いつも僕を信じて、誰よりも近くにいてくれた5人は、僕の完璧な『演技』を完全に信じ込んでしまった。
温かかった僕たちの絆は、一瞬にして凍りつき、深い人間不信と絶望へと変わってしまった。
コメント
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うわああああもう最初から涙腺崩壊しかけた…😭💦 いるまの「ごめん」の心の声が痛すぎるし、シクフォニのみんなの信じる目が切ない… 「二度と話しかけてくんなよ」って言い放つシーン、マジで心臓ぎゅってなったよ。 守るために裏切る選択、エモすぎて苦しい…でも続きが気になりすぎる!! ゆいさん、この出会いの衝撃ヤバいです…次話も絶対読む!!