「ねえねえおかあさん」
「ん?どうしたの?」
「なんでこの神社にはお人形さんがいるの?」
「このお人形さんはねとってもこわーいものを閉じ込めるためにあるんだって悪いことをすると攫われちゃうんだよー」
「きゃー!怖いよー」
「じゃあいい子にしてようね?」
「うん!」
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この噂は私が幼い頃からある噂。
子供を教育するためのはったりなのかそれとも本当なのかは分からない。
この神社はこの村で2つしかない公共物のひとつ。
名前は愁夏神社。
愁夏神社には真っ赤な人形がある。
その人形が何か知っている人はいない。
人の怒り、恨みなどの怨念が宿っていると噂する者。
はたまた妖怪や幽霊、怪異など人ならざる者が宿っていると噂する者など噂は様々だ。
ただ皆口を揃えて言うことがある。
「人形に触れてはいけない」
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「まあよくあるおとぎ話みたいな話だよねー」
私の名前は本宮涼花。神流町というとても小さな町に生まれた普通の女の子!昔は町でいちばん有名な家だったらしいけど、、、。今ではこじんまりとした家。
「少し昔に生まれてたら私もお姫様みたいな生活を送れたのかなー。」
「それにしても今日も暑いなー。」
「久々に神社に寄ってみようかな。」
「今日は夕焼けが綺麗。」
「着いた!門が開いてる?普段は閉まってるのに、、、。」
「あ!あの人形、本当にあるんだ。」
「あんまり来たことないはずなのになんだか懐かしいな。」
「帰ろう。、、、、わっ!」
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私は転んで人形に触れてしまった。
赤い人形に触れた瞬間私の夏が一変した。
外は薄暗く____
____蝉の声がより一層耳をついた。