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れもんてぃ🍋
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二回戦の余韻が、湿り気を帯びた空気と共に二人を包み込んでいました。もはや服を拾い集める気力すらなく、二人はありのままの姿で、ただお互いの肌の温もりを確かめるように抱きしめ合いました。遮光カーテンの隙間から差し込む光が、重なり合った二人の柔らかな曲線を淡く照らし出します。
彼の大きな手が、彼女の華奢な背中をゆっくりとなぞります。服越しでは決して味わえない、吸い付くような肌の質感。彼女もまた、彼の逞しい胸板に耳を押し当て、トクトクと刻まれる一定のリズムを聞いていました。
「……あなたの心臓の音、すごく落ち着きます」
彼女が眠気に負けそうな声で呟くと、彼は彼女をさらに強く腕の中に閉じ込めました。
「俺もだよ。こうしていると、役の孤独なんてどこかへ消えちゃうね。冷たい氷も、鋭い毒も、今の俺たちには必要ないみたいだ」
汗ですり寄る肌の感触が、心地よい倦怠感へと変わっていきます。彼女は彼の腕を枕にしながら、猫のように喉を鳴らして目を閉じました。
「次に目が覚めたら、また普通の日常が始まるんですね……。でも、今はもう少しだけ、このままでいさせてください」
「もちろん。世界が終わるまで、離さないよ」
彼は彼女のうなじに顔を埋め、その柔らかな香りを深く吸い込みました。
エアコンの微かな稼働音だけが響く静寂の中、二人の境界線が溶けていくような錯覚に陥ります。お互いの体温が混ざり合い、どちらの鼓動か分からないほど同調したとき、二人は深い、深い眠りの淵へと沈んでいきました。
裸のまま寄り添うその姿は、どんな名シーンよりも無防備で、そして残酷なほどに満たされた、二人だけの真実の結末でした。