「…ん…?」
目が覚めると、空はもう黒くなっていた。
ふと横を見ると、つかさが眠っていた。
酷い不快感がする。
あのまま最後まで犯されたのか。
後処理などはしていないだろうし、お風呂に入るとしよう。
遊びの後だから包帯などを外さなくていいのは少し楽だ。
まぁ、遊びが無くなればその包帯も付けなくて良いのだけれど。
お湯が傷に染みる。
シャワーの少しの水圧が俺の傷を抉る。
この生活はいつ終わるのだろうか。
俺はもう限界になっていたのかもしれない。
そして、お父さんとお母さんが帰ってきた。
二人一緒に帰ってくるなんて滅多にない。
どうしたのかと考えていると、
「そろそろ金が足りなくなってきたな」
「アイツ仕事の稼ぎ増えないし遊ぶお金足りないんだけどー?」
「つかさにも仕事やらせてみるか?」
理解できなかった。
突然のことに目を見開く。
そこからはあまり記憶がなかった。
甲高い悲鳴が響いた。
お母さんのお腹を包丁で貫いた。
少し硬い肉の感触の後、傷口から血が流れ出した。
包丁を抜いて、また刺した。
ぐちゃぐちゃと音を鳴らしながら刺し続ける。
動かなくなった頃にお父さんが起きた。
同じように刺した。
お父さんも動かなくなって、やっと我に返る。
その時のお父さんとお母さんの絶望しきった恐怖の顔はこれまで見た何よりも滑稽で面白いものだった。
しかし、そんなことを考える暇もなく思考を巡らせる。
殺してしまった。
これからどうするのか?
仕事を頼んでいたのはお父さんとお母さんだから、俺はどうすればいいか分からない。
お金を稼ぐことも出来ないから、きっと施設に入ることになるだろう。
そこでつかさは他の子になんと言われるか。
「人殺しの弟」として蔑まれたりしないだろうか。
これから一生後ろ指を指されて生きていくことになるのではないか。
気づけば、俺は自分のお腹に包丁を突き立てていた。
咄嗟に包丁を手から離し、後ずさる。
俺は今、何をしようとしてたんだ?
俺の体がもう死にたがっていることが見てわかった。
ああ、だめだ。
思考を放棄して布団に入り、そのまま眠った。
朝、いつもよりも少し早く起きる。
つかさはまだ起きていないみたいだ。
昨日お父さんとお母さんを刺した包丁を学校のカバンに入れた。
そのまま準備をしていると、つかさが起きてきた。
「あまねおはよぉー!今日は早いんだねー?」
いつも通りのつかさに少し安堵しながら、二人で準備をする。
一緒に出かけて、学校まで向かった。
学校に着いて早々、校舎裏につかさを連れて行った。
カバンから包丁を取り出し、つかさの上に馬乗りになった。
「あは、俺のコト、キライになった?」
「っ違…そんな訳ない!」
違う、つかさが嫌いな訳じゃない。
「いーよ、許してあげる」
「え、?」
こんなことしたい訳じゃないのに。
つかさのお腹に包丁を刺した。
柔らかくて、可愛いつかさのお腹。
そのお腹を、今俺が包丁で突き刺した。
赤くて綺麗な血。
「ごめ、つかさ、っ、ごめん、ごめ、」
ぼろぼろと涙を流し、舌足らずな喋りでひたすらに謝る。
「あまね、だぁいすき、だよ…」
段々とつかさの目から光が失われていく。
俺は自分を刺した。
お父さんやお母さんと同じように、ぐちゃぐちゃに刺した。
意識が遠のいて、つかさの上に倒れる。
おれ、死ぬんだな
コメント
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†┏┛墓┗┓† 誰か一緒に入らない? 1秒後には復活よ!
あら、最高ね((口調どした?