ゾム「うっ…ゲホッゲホッ…ぁ」
口を押さえていた手のひらを見ると真っ赤な血がべったりとついていた
ゾム「…そろそろ、限界やな」
今日は日常国との戦闘がある
…だが、体が重く言うことを聞いてくれない
ゾム「…」
ショッピ「ゾムさん?」
後ろを振り返るとショッピがこちらを見つめていた
俺は慌てて手を隠す
ゾム「どうしたん?そろそろ時間?」
最近は気配を感じとることが出来なくなってきた
このままではショッピを守ることが…
ショッピ「…いえ、まだ時間はあります」
「…何で手を隠したんですか?」
流石の洞察力で見破られてしまった
俺は苦笑いをしてごまかす
ゾム「ちょっと手汚れてるんよ」
ショッピ「…なら口元の血は何ですか?」
俺は慌てて口元を腕で強引に拭う
ショッピ「何を、隠してるんですか?」
心配そうな表情で俺の前に座る
俺の目をまっすぐ…アメジスト色の綺麗な瞳で見つめられる
弟がおったらこんな感じなんかな…?
めっちゃ心配してくれて…暖かくて…
…お前と離れるのが、嫌になるやん
もっとお前と生きていたいって、願いたくなるやんか
ショッピ「ッ…」
「大丈夫ですよ…あなたは一人じゃないです」
ショッピは優しく俺の頭を撫でてくれた
それと同時に頬に涙が伝う
俺はいつの間にか泣いていたらしい
ゾム「ごめッ…んなぁッッ…」
『生きたい』
初めて聞くことが出来たゾムさんの心の声
これ以上は聞くことが出来なかったが、ゾムさんが何かに苦しんでいることは分かった
ショッピ「ゾムさん、話してくれませんか…?」
ゾム「…」
「俺な…もう長くは生きられないねん」
ショッピ「…はい」
ゾム「なんか、ヤバイ病気らしくて…血とか吐くようになって…」
ショッピ「…はぃ」
ゾム「…だから俺からのお願い」
「今日でお前のボディーガード辞めさせてくれ」
ショッピ「…」
ゾム「わがままなのは分かっとるよ。でも俺はお前には幸せになってほしい」
「今の俺といるより、もっと強い国と…契約した方が良い」
ゾムさんは涙を流しながら精一杯の笑顔を俺に向けた
そんなゾムさんを見たら胸が苦しくなり、俺も涙を流していた
ゾム「…今までありがと…日常国には俺から言っとくからショッピは…」
言い終わる前に俺はゾムさんのほっぺをつねった
ゾム「!?」
ショッピ「…何がありがとうですかッ…俺は、あなたと一緒だったから今までやってこれたんです…あなたの代わりなんて…いません」
ゾム「…お願いや、最後のわがまま聞いてやぁ…ッ」
ショッピ「…俺も、ゾムさんには幸せになってほしいんです」
「だから、最期の時まであなたと一緒にいます。そんで、一緒に死にましょう?」
ゾム「…で、も」
ショッピ「俺達は2人で”ツーマンセル”じゃないっすか」
「…俺がゾムさんと一緒に生きたいんです。これ以上望むことはありません」
ゾム「…はぁ…ッw…バカやなぁ…ッ」
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
ある日、裏社会から2人の天才が消えた
誰かが殺したと噂をする人もいれば、今もどこかで生きているのではと噂をする人も
最後に2人を見たのは日常国と言われているが、日常国は何も教えてくれなかった
いや、一言だけ教えてくれた
『最後に見た黒猫とクリーパーは…幸せそうだった』と
・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
これにて、『ツーマンセル組でマフィアパロ』完結となります!
無理矢理終わらせちゃった感じになってしまい申し訳ないです🙇💦💦
この物語はもう少し綺麗に終わらせたいので、リメイク版を出したいと考えてます
でも、他にも書いてみたい物語が溜まっているので何時になるかは分かりません…
✧◝(⁰▿⁰)◜✧ワァ!
全11話、見てくださった方々ありがとうございました!
コメント
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ツーマンセル組には天国でも幸せに暮らしてて欲しいな……