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第16話「森の守護者」
🚀 シーン1:静寂と再戦
ゼインは肩で息をしながら、地面に膝をついた。
先ほどの「エデン・バースト」の衝撃がまだ身体に残っている。
リオナ——自然党派の戦闘指揮官。
彼女は翠色の髪を揺らしながら、ゼインを見下ろしていた。
その鋭いエメラルドグリーンの瞳は、まるで獲物を見定める猛禽のようだった。
「さすがに倒れてはくれないか」
彼女は微笑むと、再び腕を掲げる。
碧色の光が指先を包み込み、空間に波紋が広がる。
「さぁ、もう一度試そう。お前がこの森に入る資格があるのかどうか」
「……だったら、証明してやる」
ゼインは立ち上がり、黒いジャケットの裾を翻しながらナイフを握った。
その左腕に刻まれた碧色の刻印が強く脈打ち、戦いの気配を示す。
🚀 シーン2:緑の槍 vs 碧の力
「行くぞ!」
ゼインが地面を蹴ると同時に、リオナも手を振るう。
「《ヴァイン・ストライク》」
——地面から無数のツタが槍のように飛び出し、ゼインへと襲いかかる!
「っ……速い!」
ゼインは即座に跳躍しながら、腕の刻印を発動させた。
「《オーバーライド》!」
——ツタの動きが一瞬だけ止まる。
「なるほど……」
リオナはわずかに目を細めた。
しかし——
「だが、それだけじゃ私のフラクタルは止められない」
彼女の手のひらから新たな光が放たれた。
「《エデン・クレイドル》!」
——ゼインの足元が崩れ、ツタが蛇のように絡みつく!
「くっ……!」
ゼインはナイフを振るい、ツタを切り裂こうとするが、すぐに新たなツタが生えてくる。
「これが、自然党派の戦い方さ」
リオナは悠然と立ちながら、ゼインを見下ろした。
「自然の力は尽きることがない——お前のフラクタルは、どこまで耐えられる?」
🚀 シーン3:ゼインの逆転
(このままじゃ埒が明かねぇ……!)
ゼインは歯を食いしばり、腕の刻印を強く光らせた。
「なら、こっちも本気で行かせてもらう!」
「《オーバーライド・シンクロ》!」
——ゼインの周囲に、青白い電流が走る。
「ん?」
リオナが眉をひそめた瞬間——
「《フォールトシフト》」
ナヴィスのフラクタルが発動し、ゼインとリオナの位置が瞬時に入れ替わる!
「なっ——」
リオナが自身のフラクタルの中心に飛び込む形となる。
「悪くねぇだろ?」
ゼインはニヤリと笑い、ナイフを振るう。
——刃がリオナの首筋をかすめた、その瞬間!
「《エデン・バースト》!」
リオナの最後の抵抗で、再び爆発的なエネルギーが弾けた。
🚀 シーン4:静かなる終幕
爆風が収まり、ゼインとリオナは距離を取って立っていた。
ゼインの黒いジャケットは破れ、腕にはいくつもの切り傷。
リオナもまた、額から汗を流し、呼吸を整えていた。
「……なるほど、確かにお前は強い」
リオナは満足そうに微笑み、手を下ろした。
「自然党派のルールでは、強い者には敬意を払う。お前たちを歓迎しよう」
ゼインは肩をすくめる。
「だったら、最初からそう言えよ」
「それではつまらないだろう?」
リオナは笑うと、ゼインに手を差し出した。
「ようこそ、ゼイン。そしてナヴィス——お前たちは、ただの都会の碧族ではないようだ」
——こうして、ゼインたちは自然党派と正式に接触を果たした。