地雷さんは回れ右お願いします(* .ˬ.)
前回の続きからです(* .ˬ.)
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あべちゃん「俺の意識はそこで完全に途絶えてしまいました」
あべちゃん「もうこのままじゃダメだって時に」
あべちゃん「誰かが俺に声をかけてくれた気がするんです」
あべちゃん「大丈夫だよ、、って」
あべちゃん「彼はダメになった俺の代わりに一生懸命生きようとしてくれた」
あべちゃん「塞ぎ込んだ俺の身体に宿ったもう1つの人格」
あべちゃん「これがなべさんだと思います」
ふっか「そうか、、だから、、、わら」
だから阿部さんは俺の住むアパートを知っていたんだ
なべとして過ごしていた頃の記憶がほんの僅かに残っていたんだろう
あべちゃん「黙っていてごめんなさい、」
あべちゃん「でも怖かったんです。」
あべちゃん「俺が知らない人が俺のことを知っていることが」
あべちゃん「その人は良い人なのかどんな関わりを持っていたのか」
あべちゃん「俺には分からないから、」
事故や強いショックで記憶を失ってしまう
その結果全くの別人になってしまった
ドラマや漫画で聞いたことはあるけどまさか彼がそうだったなんて、
あべちゃん「だから、その、」
阿部さんは俺の胸に顔を沈めたまま口籠もる
彼が何を言おうとしたのか俺には分かった
なべは阿部さんが精神的にショックを受けた事で生まれた別人格だった
4年という阿部さんの心が安定するまでの間だけ身体を使うことが許された
いわば偽物の感情に過ぎない
阿部さんが元気でいるという事はなべにはもう二度と会えないという事で
ふっか「(もしかしたらなべは)」
ふっか「(なべは最初から全部分かってたのかもしれないな、わら)」
だから写真を撮りたがらなかったのではないだろうか
なべという存在がこの世界に残らないように
阿部さんに戻る時足枷にならないように
あべちゃん「深澤さん、?」
阿部さんが不安そうな表情でこちらを見つめていることに気づきハッとする
ふっか「ああ、ごめんね、、わら」
阿部さんは小さく深呼吸をすると再び口を開いた
あべちゃん「俺一人でいると不安でどうしようもなくなる時があるんです」
あべちゃん「でも深澤さんと居ると心が落ち着いてとても安定するんです」
あべちゃん「深澤さんが傍に居てくれたらやりたい事見つけられる気がするんです」
あべちゃん「だから、いや、そうじゃなくて」
あべちゃん「俺は深澤さんのことが」
ふっか「待って」
無意識に阿部さんの言葉を遮った事に俺は自分に驚いた
ふっか「阿部さんが俺と一緒にいて安心するのは」
ふっか「もしかしたら、その、」
なべとして俺と一緒に過ごしていた日々が記憶の底に残っているからではないだろうか
あべちゃん「俺だってそんなに馬鹿じゃないです」
あべちゃん「そのくらい自分でもわかってます」
阿部さんは真っ直ぐに俺を見つめる
その瞳がゆらゆらと揺れる
あべちゃん「俺がこの街に来たのは偶然なんかじゃないです」
あべちゃん「なべさんの深澤さんに会いたいっていう気持ちが俺たちを巡り合わせたんだと思います」
あべちゃん「出会いって人それぞれだと思うんです」
あべちゃん「学校が同じとか飲み会でとか」
あべちゃん「きっかけもですよ?」
あべちゃん「二人っきりになった時に優しさに気づいたとか」
あべちゃん「不安な時に支えてくれたからとか」
あべちゃん「俺と深澤さんとの出会いが」
あべちゃん「好きになったきっかけが」
あべちゃん「なべさんが居たからというのはそんなにいけない事なのでしょうか?」
♡100
♡200いったら更新度上がるかもです、
コメント
1件
いやマジほんと神。この作品が上がることが楽しみすぎて、続き出てもう死にそう笑最高です