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10
#シングルマザー
水羽凛
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#異世界転移
花月夜れん
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フィオレ
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50 ◇懲りない女
そして、週明け早々にまた淳子は性懲りもなく店に突撃してきた。
しかし、何と言われようと淳子が信用のおけるとても善良な人間であるなどと
そんな大嘘を誰が証明できるだろうか。
自分の行いを鑑みろと言いたい圭子だった。
そして淳子は首を縦に振ろうとしない圭子に焦れて今度は脅してくるのだった。
「そっちがその気ならいいのよ~。
私にも考えがあるんだから。
こういうのはどうかしら。
匠平くんの会社に乗り込んで行って彼にレイプされたって皆の前で大声で言うわ。
どう……いいの?」
もう言ってることがハチャメチャである。
こんな理不尽で訳の分からないことを人に言ってくるなんて、淳子の頭は
どうにかなってしまったのかもしれない。
「分かったわ」
「そうこなくっちゃ。
最初から素直にそう言ってくれてたら私も嫌な事言わなくて済んだのよ。
私が今言ったことは本気じゃないから忘れて」
淳子の言うところによると、彼女がどこかで個室を予約し、当日淳子と松尾、
そして松尾の両親に私の5人で集まるということだった。
しかし、いくら圭子がお人好しだからといって、こんなむちゃくちゃで
理不尽な要望を『はいそうですか』と聞くはずがないではないか。
そんなことも分からないほど今の淳子は何も見えていないようだった。
できれば、松尾には悪いと思いつつ淳子には関わらないでおきたかったため、
彼女の素行の悪さを暴くつもりはなかったのだ。
だが、寝た子を起こしたのは淳子自身である。
『あなたのお望み通り、松尾家の面々の前で小泉淳子がどのような人物であるかを
正確に伝えさせてもらおうではないか』
この時、圭子の胸の内は熱い闘志でメラメラと燃えていた。
[準備万端、この日の淳子の言動は録画録音されていた]
51 ◇懇談の日
私と夫が懇談場所に行くと、すでに松尾さんと淳子さん、松尾さんの
ご両親が待っていた。
私たちが部屋に入るや否や、松尾さんがすぐに立ち上がり挨拶してくれた。
「いやぁ~渚ちゃん、わざわざ私事でご足労おかけしてすみません。
淳子さんが渚ちゃんとは親しくしていてよく知っているので自分のことは渚ちゃんに
聞いてほしいって言うものですから。あっ、こちらはご主人?」
「はい、私の主人です」
松尾さんが話している間、匠平さんが一緒に来るなどと思っていなかった淳子さんの
顔色が何となく悪い。
「……と言うのも、僕の昔気質の両親が心配性なもので淳子さんの素行調査を
してからでないと結婚は許可できないと言うものですから。
まさか、ご主人まで同行してくださるとは……お忙しいのに恐縮です」
「ご挨拶が遅れました。はじめまして、加納匠平と言います」
「こちらこそ、申し遅れましたが松尾佑と申します。
今日は来ていただきありがとうございます」
ここまで挨拶を交わしたところで私たちは松尾さんに促されて席に付いた。
そして私たちは松尾さんのご両親にも簡単にご挨拶を済ませてから
本題に入った。
「松尾さん、正直に言いますと淳子さんとは学生時代の先輩後輩として以前は親しく
させていただいておりましたが、同じマンションで出会ったあと淳子さんの言動に
不信感を持つようになり夫とも相談して引っ越ししたのです」
「えっ、引っ越した原因が淳子さんなんですか? えーっ、それは……」
「ですから今回のお話も何度も私どもはお断りしました」
「でも、今日こうして来てくださったのですよね?」
「松尾さん、これを見てください。
淳子さんから届いたメールの内容と、淳子さんがお店に直談判にやって来た
日にたまたま私たちの側にいた桜さんが撮ってくれていたものです。
順番通りにお見せしますので、流れが分かっていただけるかと思います」
52 ◇圭子の逆襲
「まずメールをどうぞ」
――――
・『お久しぶりです。先日は松尾さんがお世話になったみたいで……』
・『私たちの結婚を反対しているわけじゃないけど彼のご両親が用心深くて、
私のことを調査すると彼に勧めているらしくて困ってるの。
どこの誰とも分からない調査員にいろんなところに出向かれて根掘り葉掘り
聞かれたりして調べられるなんて私、気持ち悪くって……』
・『だから、圭子ちゃん私の事を学生時代からの友人で悪い人間じゃないって
ことを彼と彼のご両親の前で証言してくれないかな。宜しくお願いします』 ――――
『ご無沙汰してます。そんな大事な案件に私が立ち会うわけにはいきません。
力不足なのでごめんなさい。
P/S:そういうことでしたら、親友的立場の人に頼んだほうがいいのでは
ないですか』
「松尾さん、それからこちらをどうぞ」
――
「昨日の件、考え直してくれない? 私困ってるのよ」
「私には荷が重すぎます。誰かもっと親しくしている人に頼んでください」
「何よ、もったいぶらなくたっていいじゃない。私があなたの旦那から言い寄られたから
って逆恨みするのは止めなさいよ」
「……」
「また来るから。よく考えておくことね」――
「そしてこれが二度目の来店時のものです」
―――
「そっちがその気ならいいのよ~。私にも考えがあるんだから。
こういうのはどうかしら。匠平くんの会社に乗り込んで行って彼にレイプ
されたって皆の前で大声で言うわ。どう……いいの?」
「分かりました」
「そうこなくっちゃ。最初から素直にそう言ってくれてたら私も嫌な事
言わなくて済んだのよ。私が今言ったことは本気じゃないから忘れて」
―――
私は淳子さんの顔は一切見なかった。
万が一淳子さんに視聴を邪魔されそうになったら、匠平さんに
止めてもらうことになっていた。
映像と音声を聞いていた松尾は余りの淳子の言動に度肝を抜かれていた。
そう、そこには自分の知らない人物がいたからだった。
この時、淳子は憤怒の様相で唇を噛み締めていた。
淳子は圭子を甘く見過ぎていた。
こんなにもはっきりとした形で攻撃されるとは夢にも考えていなかったのだ。
圭子の持つスマホ目指して飛び掛かり破壊してやりたかったのだが、
隣に座る匠平の存在がそれをさせてはくれなかった。
AI自作イラスト
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