テラーノベル
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№XXX~図鑑の驚嘆!
「カゲ~」
「ポッポッポ」
タマムシシティでGETした“ポリゴン”はゲームセンターの商品だった。新種のポケモン№137ー彼は草むらに腰掛けてエナジー・ドリングを飲み干す……
「図鑑も77匹はコンプリートした。爺ちゃんの予想通り、秘伝マシンは全5種類」
グリーンは2段階進化の途中で大きくて勇ましく雄々しきポケモンを腰掛けてしもべにしていた。7番道路の草むらで小休止を挟んでいる、他意味は無かった……カント―の大空は戦士達を優しく見守っている。
「俺の勝ちだレッド。あいつの弱々しい負け姿がセキエイ高原のチャンピオン・リーグで見るのが楽しみの一つだぜ」
「カゲカゲッ」
リザードはしっぽの炎を追風に靡かせながら火力を増して行くーバランス良く数十種類のタイプ別に集めた甲斐があったってもんだ。ポケモンセンターのPCの向こう側の爺ちゃんも甘すぎる……だから老い先短いのさ。
「ポリゴン戦え、LEVEL上げだ」
ジムリーダーのバッヂは4つ……特別な力と知恵の経験次第でバトル・ファイトの天秤の審判は善し悪しが決まる、トレーナーは数多い! 世界なんて小さくて貧弱。ロケット団ならぬ悪者がこの大地を蹂躙しては暗躍している噂を街人から聞いた、聞き捨てならぬ事態ー
「俺の征くべき道は俺が決めて同然。誰にも指図させない、ピジョット!」
空を飛ぶ技で巨大な翼をはためかせ空中を舞う。シオンタウンは幽霊の曰く付きのタグ……やれやれ。現世と夢うつつの七不思議なんざ解決してくれる。ポケモン図鑑を胸に仕舞い一目散に駆けてゆく! 深緑のこだまが消えない意思の焔と成りて伝説の浪漫譚を紡ぐ、軌跡の絆ー
「ハックション」
風邪? ピカチュウがハナダシティのジムリーダー・カスミとのバトル・ファイトの勝利と一抹の不安を気にしだす。マイペースな旅路が羅針盤のコンパスの秒針をまだ見ぬモンスターとの出会いと有意義な大冒険へと叫ぶー
「レッド。私の負けね、水タイプはフシギダネの様なポケモンに弱いのよ」
「当たり前さ。オレは大義の実現の為にこうしている、目標に向かって突っ走るだけだ」
「そうね……貴方なら辿り着けるかも」
ジム内で拍手喝采が巻き起こるーピカチュウの活躍も目を瞠るものが在った。自転車に跨り鼻歌交じりで明日へのロードを邁進する! 短パン小僧、ミニスカート、ポケモントレーナー……自慢のしもべ否、相棒達がオレを支え自由な意志を共有してゆく。タダでは倒れないぞ、前のめりさ!
「ピカピカ」
クチバシティのサントアンヌ号の船旅がマストの帆を上げて始まった……乗客同士のポケモンバトルも最高潮。強くなりたい、力の誇示と証明の瞬間、刹那の回廊が少年少女を開眼させた! 地図によればこのまま全身で前進ーチャンピオンリーグも数か月先の真実、人生プランも一寸の狂い無し。新種ポケモン、ビリリダマにスリーパー、ワンリキー……まだ見ぬ雄大な桃源郷が近未来で待ち構えている、目指せフルコンプリート!
「マチスのポケモンジムは雷タイプ。手持ちのディグダなら効果が全く無い……LEVELの低さが一抹の不安だけど」
グリーンはこうしてる間にも勝利の風を纏ってゆく。一喜一憂してる場合じゃない。一心不乱にやり遂げる、それが努力の結晶!
「ピカチュウ、進化先がお目に掛かれるかもな」
頭の帽子(エースキャップ)に乗りオレを先導する。どっちがポケモンだが(笑)……財布の中身はまだ尽きない。道具とスーパーボールは完備、思い立ったが吉日ー善は急げ! ポケモンセンターにてPCの音声が聞こえて来た。
「マサキに会うまで親の尻目も見れない。ポケモンマスターへの道はここから」
女の子? へえー、オムナイトとドードー。多種多様なトレーナーだ、十人十色! 良き哉良き哉、令和7年8月15日(金)AM9:12分。今を刻みオレは生きてゆく……これからも!
「お嬢ちゃん、そのポケモン珍しいね。バッヂ幾つ?」
施設内で来るべき対話が始ったーその子は図鑑を触りながら健気にキーボードを叩いている。見た所、年下の低学年の可愛らしい女子だった……
「義務教育の学校の時代も終わり。生成AIの0歳からの英才教育なら完璧よ、両親のエールを受けてここまで来た。一直線の一方通行! 夢は叶うってママから教えられたんだから」
「大人何て大した事ないぜ? 10代の好奇心と若々しさが世界を動かしてるって父さんから聞いたばかり」
「私と勝負する? 24時間受付中よ」
ピカチュウが何か言いたげだった。横柄な態度はGETする前から? 朝活が鐘の音色を鳴らしたー
「風が無いね。新世界の神は容姿端麗、万能な才華だよ……オレの友達の事な」
「オーキド博士から貰ったの。150匹手に入れるまで帰らないーこのご時世誰しもがポケモンマスターでしょ?」
「交換でもするかい、手持ちから離れるのは淋しいけど……そのお茶目なポケモン何?」
イーブイがボールの中から不思議そうな目で見ている。№133.
「良いわよ。タマムシシティのゲームセンターで働いてるお兄ちゃんからの誕生日プレゼントだった、貴方は何をくれるの?」
オレはスーパーボールに眠る大きな友達を差し出したー
「いっつも寝てる大柄のポケモン「カビゴン」さ、不足は無いだろう? トキワの森の自転車レースの一等賞だよ」
女子は勇まし気の雄々しさに目を耀かせる!
「さすが男子。世界観が違うわね、即決ー交渉成立! おいでカビゴン?」
イーブイ。進化先がめくるめく存在する特性……こりゃ化けるぞ。オレは自転車のペダルを漕いだー
「じゃあな! 偶には画面の向こうの両親に元気な報告しなよ、大冒険の地図は縁の下の支えがあって出来てるものさ」
「うん、気を付けてねレッド!」
「フシギソウ」は笑っていた。まだまだ進化の道は続く、人生とは舟旅……博士の言葉だった。大海を知ればロマンの追従が見果てぬ太陽の境界線にて待ち侘びる神話の受け継がれる魂となる。詩人ぶっちゃった、ピカチュウのフォローが入る!
「良し、バトル再開ー」
カント―地方は広くて狭い。ロケット団の悪名名高い連日のニュースが危険なポケモンを奪い去る事件が勃発していると聞いた……身の引き締まる思いだーレッド飛翔!
ミュウツーの神化~人工精製なるENEMY
オツキミ山のロケット団の横暴が風の噂になっている。月の石は新種ポケモン・ピッピが大切にしている進化への鍵、マスターピースへの布石ーカタチの無い争奪戦が冷戦のように幕を開けた! そして人工のポケモンはカプセルの中で目覚めの鬨を待っている、シオンタウンの幽霊騒ぎ=クチバシティでのジムリーダーとの死闘、まだ見ぬ“謎”がオレ達戦士を待ちゆく……バトル・ファイトは居場所を選ばずトレーナーの道半ばの行く手を阻む。山は秘伝マシン「フラッシュ」の技と穴抜けのヒモが必須……アイツ等は、悪党!
「クソガキ! ポケモンだけ置いてママの所へ帰れ、我々は甘くないぞ」
「ロケット団、悪が栄えた試しは無いぜ」
山奥の暗闇の激闘! 相手はサイホーン、ゴルバットータッグバトル、君達に決めたピカチュウ、フシギソウ!
「マサラの少年か。いいサンプルだ」
監視カメラの先に幹部のサカキが見入っている……狙いはあの伝説の幻のポケモン! №150.
「負けはしない、ミュウツーを手に入れるまではッ」
「100万ボルト! 良し、勝利ー」
ピカチュウのLEVELが爆上、新しい技も覚えて確実に前進する、目指すはグリーンの遠き未来の描いた大地の果! オレはいつだって挫けないー
「チィ……もう終わりか! 覚えてろ、次はこうはならないっ」
山岳地帯を抜けてポケモンの笛を吹いてみる。野生の獲物が次々と現れて来た! 悪党共の口約束「ミュウツー」の居場所……? マスターボール必須条件ッッ
(姑息な少年、私のテレパシーを聞け)
「?」
太陽の下、草むらを抜けた所に脳裏で女性の声が聞こえたーロケット団の差し金か、それとも……
(ヤマブキシティのジムリーダー・ナツメだ。奴等とは横の繋がりが在る、皆がカント―で争奪戦をしているのだ)
「ミュウツーの事か?」
(悪いことは言わない。ポケモンだけを残してマサラへ帰れ、莫大な闇金と引き換えにな)
「ピカピカ!」
強気で接する相棒達、鋼の冒険心は燃え尽きない胸の篝火となって何度でもオレを燻るー待ってろ世界。
「五月蠅い、お前等の思い通りにはならないぜ! バッド・エンドさッ」
(……ならば全力を持ってお出迎えしよう。待っているぞ赤き小僧)
意識が切れた。テレパシーは断絶された、ヤマブキシティは目と鼻の先ー戦いが楽しみだ。手持ちのしもべ達は六匹! ポケモンセンターでのライフ全回復と自転車で駆る毎日の道路を征くー風に成れる……レッドの意志は固い。
「図鑑も好調。パソコン完備、他意は無い! 攻め込むぞカント―っ」
ヤマブキシティに着いた! 草むらで捕まえたポケモン達のLEVELを確認しては全身で前進するー進化も目前。バッヂも大多数、オーキド博士も喜んでる、グリーンとの真の決着も近い! ジム内でDJがハイ・テンションで招き入れたー
「少年、旅路の御供に最高なBGM(音楽)は如何かな? エスパータイプの珍しいしもべ達が君の“叙事詩”を待っているぞ~」
(私を見ろ)
「お前だな、ナツメ!」
「総べてはミュウツーの神化の為に……生き急ぐ若者よ。神話と成れ」
バトル・ファイト開始ー
天元限界突破「破壊光線」の導き手
スリーパー。バリヤード。フーディン。ライフが尽きない……が、まだ戦える。総べては夢想のロマンスの限り無き、終わり無き追求者達の永劫遊戯の一途の超未来への片道切符、作戦セイコウ……。勝利!
「私の負けだな。バッヂはくれてやる、だが一筋縄ではいかないぞ……バックにはロケット団と幹部が待ち受けゆく」
「口の減らない女だぜ、ピカチュウ!」
「ピカピカ」
冷静になって頭を冷やせ、どんな時でも思考を止めるなー? 最後は人間力が勝つ……その通りだ。道具とレポートは確認済み。イケる! 自転車はまだ見ぬサイクリング・ロードを色褪せぬ沈まない太陽に掲げて邁進する、あと一歩。水着(👙)のお姉さんや大男との交わりを告げてセキチクシティの用心棒を倒す、攻守逆転! もう止められない……。総てセイコウ! 志は途絶えない永世まで伝え征く焔の扉、火炎は燃え盛るもの、意識はヒートアップして第二幕のリ・スタートを刻み行く余韻。腰掛けたボールが次の現実‐REALの壁を超えゆく鬨の狭間の桃源郷(ユートピア)……パソコン。越しの博士と父さん、母さんが元気そうに両手を振る。旅も佳境、オレには進むべき航路が目の前に広がっている、勝利の鐘の音色を鳴らすエースキャップの帽子の鍔が朝焼け、夕刻、夜闇をいつもの相棒達の如くズットイッショの人生山あり谷ありを目指した! グリーンの翳が視界に入る、19番道路の草むらに佇む一人の精悍な勇士、此処で会ったが百年目ー
「気付いてると思うが、失敗作のクローンが人工精製を繰り返してるらしい。他意はっ」
「ミュウツーの事か。サカキが追っているスーパーレアポケモンだ」
「俺ならもう飛べる。迷いなど不用……リザードン」
一瞥した目先はフシギバナだった。LEVEL37……まだまだ、この青空の下で集いしトレーナーの道筋は総べて一直線にクロス・オーバーする。紡がれた物語の戦記譚が叙事詩を綴って離さない。最終決戦、サカキは避けては通れないぜ、レッド。その前に……
「俺の方が優勢だ。炎タイプに飛行が加わった、この街が哭いているー伝説なら攻略間近」
「この赤色はマサラの沈まぬ太陽だ。何時だってオレ達の帰りを待っている風ーそうだろう、№151匹目は?」
グレンタウンのジムリーダー・カツラはサンダー、ファイヤ―、フリーザーの行方を探している。図鑑のコンプリートなら完璧!
「その電気小鼠、生意気そうな性格が治ったみたいだな。ヤルか? 雷の意志は全てを破壊する一抹の覇王の紋章」
「また詩と思想か。いつでもいいぜ」
東の茜色に暮れゆく空に三匹の伝説のポケモンが雨雲を呼ぶー風雲急告げる邂逅の嵐! GATE……?
「パソコンの向こう側の世界で待ってるのは爺ちゃんの片田舎の帰省街道、将又チャンピオンリーグのチケット。どっちを選ぶ」
「愚問だな。バトル・ファイトが風と一緒に連れて来るッ」
グレンタウンの島国が地響きと雷鳴で揺れ動き共鳴するー雨が降り出した。天は気ままな二人を祝福するかの様に……ファイナル・バウトの熱波と新緑の大自然のうねりがクライマックスを加速させる!
「二話目で? 焦るなよ心友」
「……」
「カント―地方は遊び尽くした。ジョウトへバトンロードを後輩に托せーNEXT GENERATIONだ」
「生ける伝説の逸話、か。OBなんて柄じゃない」
「あんた達ー、大雨と地震警報知らないの? 早く避難!」
ポケモンセンターの受付嬢が傘と合羽を持ってきてくれた、肩のピカチュウが冷静に促す。天変地異ー!? かくなる上は……店内部の照明がロックダウンしている、パソコンはシャット・ダウンされて停電状態だった。セキチクシティへ引き返すのは時間が掛かり過ぎて、丸一日の鬨。どうする?
「奇跡を起こせ。レッド」
「ポケモンの神を呼べ」
リザードン。ピジョット。ギャラドス……雄々しくて勇ましき勇気に満ち溢れたしもべ達だった。それと引き換え腰に掛けてあるハイパーボールは体力の減っている相棒達ー戦いは非情。ロビーの座椅子に座って時刻を確認した。あれから三時間ー
(大人の意見を聞け若獅子達。私だ)
グリーンが図鑑を閉じて窓の外の様子を伺っている。
(ナツメ。敗北姿を画像と気で見せろ、金より大事なものなら指折り数えて沢山或るー大人になって忘れたのか)
(この異常気象は理由でも有るのか? ピカチュウの電気袋の頬っぺたが暴発寸前だ)
受付の女性は電話応対に忙しい。もうすぐ夜が来る……今日はここで巣ごもりの寝泊りの予定。食料と寝床は? ライフ・ラインは? 不安と疑問は尽きないー
「ピカピカ」
思い出してみろ。今までの冒険の記録を、レポートのページを刻めー全く、こいつには借りが一杯だ。オレと違って寂しがり屋でも無い屈強な精神と意志の持ち主だった。グリーンがナツメとテレパシーを駆使している……ロケット団、好きにはさせないぜ!
(アルセウスを知っているか。神話の中のポケモンだった、総べての生態系を狂わす未来予知の可能な幻獣)
(御伽噺に興奮するほど子供じゃない。時間稼ぎのつもりか)
(私の超異能力のエスパー(ESP・PSI)サイキックはここまで進化した。受け継がれる次の世代への子孫繁栄を願うばかり)
(よく言うぜ。人の作った叡智なら人を救ってみせろ)
(それはどんな漫画の名台詞だ? 戦士・グリーン。大人をからかうなよ)
(餓鬼かどうか試してみるか? オバさん)
(……)
「……」
「ダメ。通信機の接続プラグが浸水してスイッチが点かない……漏電の可能性を考えて私の手持ちのポケモン・ギャロップの灯火で我慢してね、照明落とすわよ」
「はい。ありがとうございます」
(そういう系)
「店の中は安全なのか? 情報が欲しい。テレビ、ラジオ、パソコンのHPも点かない……こんな時に、もしもの備えが必要だったな」
「ピカピカ」
……その通りだ。論より証拠ー致仕方が無い。
「緊急用の毛布をバックヤードから持ってくる。今夜はこれで」
「大自然には勝てない……人間と緑の共存などヒトの創造物で諮れる物じゃない。だから俺は尊厳の意味も込めてこの名前を授かった」
「……オレは強く雄々しく粋の或る純真な性格で有り続けるように、両親からの愛情だ」
「……」
暗室の店内は恐ろしい程静かだった。ただひとつ、激しい雨音が屋根を叩く以外は……マサラの風は優しかった。田舎だろうと都会だろうと、ポケモン達と共生してゆく世界ーそれが博士の意志。目を閉じればあの真夏の日差しと光景がフラッシュ・バックする、穏やかな想い出の一ページを捲りたい。
「刻んでやる。よくもポケモンの生成実験を……ロケット団の奴等っ」
お腹が減っても我慢。戦士に危機的状況は付き物……甘えるな、レッド!
「グリーン。どんな道筋でここまで来たんだ? 言えない仲じゃないだろう」
「最速最短ベストな選択肢。自分が今成し得る最高な方法、こんな時こそポケモンとの真の友情と新価が問われる」
「流石、ライバルさん」
お姉さんがスイッチを消した。夜風が家屋を震わす……予想外、想定外の大冒険、か。最期にレポートに記入してオレは堅苦しい地面に寝支度をし始めた。
「寝ないのか? 休むのも仕事の内だぞ」
「……ミュウツーの意識LEVELが上がった、のか。あの女(ナツメ)一発殴らないと気が済まん」
真っ暗闇の視界が揺蕩う夢の中へと落ちてゆくー今宵は三日月。引力と斥力で惹かれ合う天命……昔、本で読んだことある。
(グリーン。潮の満ち欠けは明日未明、果される)
(貴様! ベタベタするな。敵なのか味方なのかどっちだ)
(私の波導をやる。明朝と共にグレンを目指せ、最新のニュース速報だ)
ポケモンマスターへの道。守るべき存在。“今”を現状打破出来るカノウセイ……ずっと一緒にイヨ? レッド。
ピカチュウの声が消えないこだまで無意識に響いていた。
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