(なんで…なんでなの……)
保育園の駐車場に車を止める。
(いままでこんなことなかったじゃん)
涙をこらえて車から降りれずにいるさゆり。
少しだけスカートをめくり、紙おむつが染みていないか確認する。
もちろん最新の高吸収タイプのオムツなので漏れてはいないものの、おもらしの形跡はオムツを外さなくても確認することができた。
(やだっ……)
(……………………)
おもらしの形跡だけでなく、おもらしサインもくっきりとできていてさらに車から降りることを拒んだ。
こんな所にいてもよけいに怪しまれるので、助手席に陣取っている紙おむつのパッケージから1枚だけ取り出してトートバッグに詰め込む。
車のドアを開け両足が舗装の上につき、体を起こす。
テープタイプとは言ってもオムツが下がってきてしまいそうな不安な気持ちになる。
さりげなくオムツを抑えようとするが、その行為が逆に不自然になってしまう。
(あ、おはよう)
保育園の園舎に近づくと昨日の保育士さんにみつかってしまった。
(オムツしてきた?)
(おしっこだいじょうぶ?)
(おもらししちゃってない?)
色々聞いてくるが、上の空だ。
なにしろ、おもらししてしまっているとゆう事実は変わらないのだから…
(おしっこしちゃったでしょ?)
(オムツきもちわるいよね)
そう言いながら当たり前のようにさゆりのスカートの裾から股間を触り、おもらし具合を確認している。
(あらやだ、ほんとにおしっこしちゃったの?)
(きのうはおむつしてなかったの?)
(おしっこしちゃったらちゃんといいなさいって言ったでしょ)
さゆりの目を見て言っているが、さゆり自身の視線は目を合わせようとはせずずっと足下をみている。
(こっちおいで、おむつキレイキレイしようね)
園児に言うように優しくさゆりに語りかける。
保育士に手を引っ張られ中へと連れていかれる新人保育士。
保育士室の中に行くと、何人かの保育士さんがいて、その中にはさゆりと同期の保育士もいた。
(この子、きのうもおもらししちゃってたんだけど、今日オムツにおもらししちゃつてるからだれか交換してあげて)
そんなに細かく言う必要もないのに昨日の出来事まで伝えられさらに恥ずかしくなるさゆり。
(私やります)
ひとりの保育士が名乗り出てさゆりの方へ近づいてくる。
(おしっこしちゃったのー?)
(おむつかえてあげるね)
まるで用事と同じふうに言っている。
コメント
1件
ダイアパンさんの影響で私もノベルを書いてみることにしました。 続き待ってます!