恋は猛毒。

なんだか同じ人間じゃないように見えた彼は、

もう私の好きだった人では無い。

早くこんな奴殺してしまわなければ。

じゃないと私がストーカーしていたことも

世間にバレてしまう。

そんなことを思いながら

私は刃物を持ち、

彼に向かって、殺してしまおうという一心で、

全力で刺した。

が、彼は自分で自分を刺したのだった。

それを呆然と見ていると

「俺、好きじゃない人に殺されるくらいなら自分で死んだ方がマシかな」

とあの悪女を刺した時と同じ笑顔で言った。

これから私はこの出来事を抱えながら

生きていかなければいけないのか。

そう思うと息が詰まる。

それなら、いっその事。

最後に聞いた音は、

グチャという耳障りな苦痛の音だった。