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「さて、霊夢。異変を止めに来たというのなら、たっぷり遊んであげるわ。……でも、その横の人間は邪魔ね」
レミリアは紅い爪で、俺をひょいと指差した。
「咲夜、この人間を地下の部屋へ連れて行って。……そうね、**フランと一緒に遊んでなさい。**ちょうどあの子も退屈していたところだわ」
「え? ……遊ぶだけ?」
俺は思わず聞き返した。 牢屋に入れられるわけでも、いきなりナイフで調理されるわけでもない。「遊ぶ」だけ? なんだ、吸血鬼の妹のベビーシッター的な仕事か。それなら、激しい弾幕ごっこよりはマシかもしれない。
「なんだ、楽勝じゃん。俺、子供の相手は得意ですよ」
俺が少し安心したような顔をすると、隣で魔理沙が「ひっ……」と短く息を呑み、霊夢は同情を通り越して「南無三」とでも言いたげな顔で俺を見つめた。
「おい、料理人……。お前、自分が何を言われてるか分かってんのか……?」 魔理沙が震える声で囁く。
「え? だから、お嬢様の妹さんと遊ぶんだろ?」 「……あの子の『遊び』はね、普通の人間なら一秒で粉々になるレベルなのよ」
霊夢の言葉が終わる前に、咲夜が俺の肩を掴んだ。 「お嬢様の仰せのままに。……さあ、行きましょう。四百九十五年間、地下に閉じ込められたお嬢様の妹君の元へ」
「よんひゃくきゅうじゅうごねん……?」
俺の頭が理解を拒否する。 咲夜に引きずられるようにして、俺は豪華なロビーから、ひんやりと冷たい湿り気を帯びた地下階段へと連れて行かれた。
「あ、あの! 咲夜さん! 遊びって、具体的に何をするんですか!? 折り紙? それともおままごと!?」 「さあ。あの方は『壊す』のが大好きですから。……あなたが、あの方の手の中でどれだけ壊れずにいられるか。私としても興味があります」
「壊……っ!?」
地下の最深部。大きな扉の前に着いた時、中から無邪気で、それでいて身の毛もよだつような歌声が聞こえてきた。
「きらきら……ひかる……。あ、新しいおもちゃが来たのかな?」
扉がゆっくりと開く。 そこにいたのは、七色のクリスタルが輝く歪な翼を持った、少女――フランドールだった。
「(……死ぬ。肺が腐る前に、物理的にバラバラにされる……!)」
俺は泣きながら、最後の武器である「白だしの瓶」をぎゅっと抱きしめた。
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