テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
皆さんは、『サバゲー』というものを一度は聞いたことがあるだろう。サバゲーは基本、BB弾が放たれるエアーソフトガン、通称『エアガン』を使い様々なルールのゲームを、フィールド内で行う遊びである。それはまさに漢のロマン。永遠に終わらない厨二病の夢なのである。
4月某日、私も晴れて高校生である。お小遣いも今月からup。今度は高いライフルにでも手を出そうか、はたまたカスタムをしようか、はたまた戦いを有利に進めるための 装備に費やそうか、、、大変心が躍る。
ガラガラとスライドドアの開く音。
あ、担任か。
「はーい皆さん、入学式お疲れ様でぇす。えとおまず、私からですね。このクラス担任の伊勢です。みなさんどうぞ一年間、、、、」
基本人の印象は1に視覚情報。2に聴覚情報である。この二つで90%を占めているのだから、人間というのはほんとうに可哀想なものだ。まぁこの担任は互いに合格ラインとしよう。おばさんが来たら入学早々椅子でもぶっ壊そうかと思ったが、まだ青い顔をした男性である。
それは良いとして、、、自己紹介である。紙に書いて提出か、それとも前で発表か、、、、前なら殴る。殴っちまおう。
「では前、、、、、」
あ、
「だと嫌な人もいるかもなので、プリントを配布します、この時間中に書ききっちゃいましょう!」
神であろうか、この教師は。
趣味。サバゲーと書くべきか、どうするべきか。しかしながら他に趣味などない。嘘をかいてその話に持ってかれても余計困る。
ん〜〜〜〜〜、、、、、
んんんん〜〜〜〜〜
「ではそろそろ時間なので、後ろの人集めてくださぁい。」
あ〜〜〜〜。いやまぁ仕方ないだろう切り替えよう。こういうこともある。そうに決まってる。
「ん〜〜そうだなぁ、小沢料理得意なのかぁいいぞぉ家庭的な男はもてるぞぉ」
あぁこいつ読み上げるタイプか。
「品川、、、、おぉ、、サバゲーか、、なかなか良い趣味してるねぇ。」
耐えたのか?耐えか?まぁ、、、、、、、耐え、、、、。
やっと全員分終わり休み時間に入った。変わらず私はお小遣いの妄想を始める。
どんっ!!
「え、なにだれえ、怖い」
確か、、瀬戸?さんだっけか。
「人殺すの?!?!?!?!?!?!」
「え、、、、あ、、、、え?」
言葉に詰まる。「人殺したら、、、、、犯罪ですけど、、、、え、、」
「あそっか確かに。」
何こわいえ?普通にバカ?え?
「サバゲーってどうやって敵倒すの?殺せないのに倒せるの?」
え?純粋な顔だ。なるほど、純粋にバカだこいつ。
「えっと、bb弾っていうちっちゃいたまが当たったら、ヒットって言って、、しゃがんだりフィールドから出たりする、、、それが死亡判定、、、、」
「なるほど。その手があったか。」
他に一体何があるんだ、あったら教えてくれよ。いやそれが殺すなのかひえ怖い。
「銃持ってるの?」
あぁ、グイグイ怖いなこいつマジで。
「いやぁ、、うんまぁ、、エアガンだけど。」
「見たい!」
「あ、うん。」
うわぁこっわ助けて。
「瀬戸さん、もうチャイムなるよ。」
「あ、確かに。」
なんなんだろうこの子は。私よりもっと興味持つべきやつがいるだろ、ほらあの小沢とか顔も悪くないだろいっちまえよ。
いやまぁ疲れた。あれ以降瀬戸からのアグレッシブは止まらなかった。悪夢だ恐ろしい、どこかの憂鬱が溜まった、普通の人間に興味ない奴みたいな鬱陶しさであった。
「品川さん!」
「あ、はい。」
あっクッソ1人で帰りたかった。
「ライン繋ごう。」
「あ、はい。」
「家行かせて。」
「あ、はい。」
あやべ。
電車は混むとも言えるし、空いてるとも言える。
「品川さんって最寄りどこ?」
「豊田。」
「あ、じゃぁ一緒だ。」
あ、じゃぁ引っ越そうかな。
「なんか品川さんって呼びずらいし、下の名前でも良い?」
「まぁ良いけど、、、」
「鳴海さんはなんでやサバゲーしてるの?」
「なんとなく。」
「ふーん。」
ローファーの音は中学の時より1人分多かった。それは悪い気はしなかった。別に友達を作るのが嫌なわけではない、私そんなマセた一匹狼などではなく、単に言葉のマシンガンが苦手なのだ。頭をガンガンと打ち付けるようで嫌気しかない。
「ついたよ。」
ついちゃったよ。
まぁ良いか。マシンガンを除けば 悪いやつではないのは分かっている。
「両親は?」
「今仕事、入学式終わってすぐ出勤した。てか、入学初日に家来るってすごいよ瀬戸さん。ビビるよ流石に。」
「そうかな?」
こいつマジで。
「あ!銃見せてよ!」
「まぁ良いけど。」
私は麦茶をテーブルに置き自室に行く。
「入って良いよ。」ちょっとだけ無理矢理ではあるが綺麗にはした。
「うわぁ、いかついね鳴海ちゃん。」
「ねぇ瀬戸さん。なんで私のエアガンにグイグイくるの?もっと女子らしい子とかいるのに。」
「そうねぇ、なんでだろうねぇ。」
悪くはないだろう。うるさい人間なんてこの世に虫ほどいる。適応できない私も私でバカなのかもしれない。
「瀬戸さん。このあとガンショップ行かない?」
弥生楓-YayoiKaede
126
202
#挿絵
KEY-STU
25,707
14
コメント
1件
讀み終わりました!榎葉さん、第1話お疲れさまです。「サバゲー」という趣味を軸に、鳴海くんと瀬戸さんの異色な出会いがすごく生き生きしてて、思わずニヤニヤしちゃいました。瀬戸さんの「純粋にバカ」なグイグイ感が怖くもあり可笑しくもあって、そのテンポが小気味良いです。ラストの「ガンショップ行かない?」で自然に距離が縮まった感じが、今後の展開をすごく楽しみにさせてくれました🌷