テラーノベル
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ここは関西空港。そう、うち岡田来夢は大阪に引っ越してきた。
これから転校手続き、友達作り、慣れない方言に悩まされていた。
「関西弁って話さなきゃいけないの?」
「そうよ、話さなきゃあかん」
うちの両親も関西弁になっていた。
『がらっ』
教室のドアが開く。うちは緊張でいっぱいだった。
「岡田来夢やみんなよろしく!」
(これで良かったんか?)
「よろしくなー!」
「らむちゃんよろー!」
(あ、良かったぁ)
うちは安心した。
うちが席に着くと大勢の人が集まってきた。
「ラムちゃんってどっから引っ越してきたん?」
「っ…熊本から」
「今どこに住んどる?あたし行きたい」
「え……っ歯医者さんの近く…や」
そう、うちにはコミュ力がない。大勢なんて嫌いや。
前の高校だっていつメン5人でやってきたもののクラスの半分はうちの近くや
(あれ、あの男子…)
「な、なぁあそこに座っとる男子誰や?」
思わず聞いてしまった。
「あの男子なぁ、瀬戸ちゅうんやけどみんな下の名前だけ知らんのや」
(恥ずかしがり屋なのかな)
そうやって過ごしてたら高校2年生。『瀬戸』の下の名前も聞き出せなかった
「らむー!一緒のクラスじゃないよー!」
地獄のクラス替え。仲良くなった子達ともお別れの日だ
(合わせ物は離れ物というもんな)
ところでうちは関西弁にも慣れ、普通にいつでも喋っている。
(また瀬戸と同じクラス…)
「らむは瀬戸と同じクラスやから下の名前教えてもろて!」
そういってクラスは別々になった。
瀬戸とまさかの席が隣になった。
「せ、瀬戸下の名前ってなんや?」
「ー…下の名前は教えん」
(やっぱりや)
「誰だったら教えてあげるんや」
「特別な人」
(と、特別な人…)
「それってどーゆー人や」
「優しくて、俺のことを第一に優先して可愛い子」
(そんな人、この高校にいたっけ …?)
「ねぇ、今日このカフェに来て」
「はぁ?」
『ガチャ』
「瀬戸ってどーゆー人なん!?」
「俺のことなんや聞かない方がええで」
「そんなこと言わなくてもいいじゃん」
(はっ…!つい)
「方言無理しなくていいけ」
「え」
(なんだ…案外優しい)
「無理はしてない、ついていけるように頑張ってるの!」
「大丈夫や?」
「う、うん!」
「今日はうちが奢る」
「ありがとな」
「今日付き合ってくれてありがと、またなぁ!」
「ああ」
カフェが終わった帰り道。私は少し胸がくすぐられた。
コメント
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関西弁はやっぱええな