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なんか……このレトさんいつか自〇しちゃいそう…
《rt視点》
「ほら、行くぞ!!」
「あ、ちょっとまってよ!」
病院の中庭で先を走る君、その姿はとても輝かしくて格好いい。けれど、君はあと1年で居なくなってしまう。
ねぇ、なんでそんなに楽しそうなの?元気で居られるの?
君はこの短い制限時間が怖くないの?
俺をおいてきっと君は先に旅立つ。
俺は君を…こんなにも美しく耀く君を失いたくない。
どうしてこっちに笑顔を向けるんだよ
誰よりも辛いのは君なのに…
まだ君と一緒に行きたい所は沢山ある。
まだまだ君との時間が足りない。
ねぇ、また2人で旅に行こう?前みたいにプチでもいいから…もっと2人でバカやって笑って笑わせようよ!
君じゃないとダメなんだ。
俺は君とじゃなきゃ生きていけない。
お願い誰か…を助けてよ…
もう神頼みでも何でもいい。彼が助かるなら。まだ生きてくれるのならこの命だってくれてやる
俺は君の生きる世界が好きなんだ。
君が俺に教えてくれた新しい世界だ。
君とでしか作れないこの世界を…もっとずっと2人で……。
お願いします神様。どうか彼を治してください。彼を心から笑わせられる世界をください。もう彼の世界に俺が消えてもいいから…
《us視点》
あぁ…また暗い顔してる。
そんな顔するなよ…俺まで悲しくなんじゃん。そんな顔見たくない。
俺はお前の笑った顔が好きなんだ。
お前が暗い分俺が明るくしなきゃ
お前には笑っていてほしいから笑わせてあげたい。
その為には俺も元気にしなくちゃいけない
なぁもっとバカやろうぜ?
俺の寿命は残り1年。正確にはもう少し短い。
きっと、お前は俺が居なくなったらずっと泣いてるだろうな。今よりももっと…
なら今は笑っててよ
俺に一生分の笑顔を見せて?
もう見ることのできないお前の最高の笑顔が見たい
「元気にしてればもしかしたら寿命延びるかもだろ?w」
「なんだよそれ…」
俺は笑い混じりに言って、半分本気で言う。
どこかの番組が言ってたんだ。信用できる人ではなかったけど信じてみたい。
それで延びるならもっとお前を笑顔に出来る時間が増える。
何度も笑顔になれと言うけど、ほんとに、ずっと笑っていてほしいんだ。
もう悲しまないでいてほしい。俺のために涙を流さないでほしい。もう拭き取ることもできなくなるんだから
他の奴になんてさせたくない。
最っ高のとびきり笑顔も涙も俺の特権にさせてくれ。
お前は意地っ張りな所があるから貴重なんだ。
最後にお前の顔を拭くのは俺の手だけにさせて?
あぁ…もう少しでお前ともお別れだ…
刻一刻とタイムリミットが迫ってきている。
もう何十と数えられる日数まで近づいてしまった
俺の余命が決まってから一度もレトルトと一緒に出掛けられていない。
また何処かへ出掛けようか。
俺はお前に話す。
病院の人にとって俺はもう死ぬ人なんだ。構いやしないよ。
だから、最後の思い出にでもさせてよ。
そこでまだ引き出せてないお前の特別な笑顔見てやるから。
また暗い顔して着いてくるなよ?
俺にとって2人の時間はとっても大切なんだ。きっと他の恋する誰よりも大事な時間。
無理してでも連れ出してやる!
お前の笑顔を見るためなら俺はなんだってできるんだ。
例えそれが俺の寿命を縮めることでも
きっとお前は望まないだろうけど、俺にできる最後のこと。お前に止められたって笑顔で居てくれるならそれでいい。
俺ってお前のこと本当に愛してるんだぜ?
俺もこんなに人を想えるなんて思ってなかったけど、大事なんだよお前が。
他の誰よりも、親よりも大事な存在。
なぁ笑えよ?俺に構わないで先を見てくれお前の世界はもっと広い。
こんなことでくすぶってる場合じゃないんだ。
新しい世界がお前を待っている。
俺を見ないでくれ…もうそこには居れないんだから。
指を折って数えられる日数になった。
あぁ…怖い…嫌だ。
もっと生きていたい。
お前とまだ行けてないところだって沢山あったのに…
そう思っても体は俺の気持ちには答えてくれない。
分かってる。もう覚悟は決めなくちゃいけない。
辛い…苦しい…怖い……俺にこの病と戦う力はもうなくなっていた。
夜になると薬が切れて体が痺れることがある。
もう体がガタが来ていると教えてきている。
はぁ…っ…嫌だ…もっと…2人で居たい…ッ!
俺を連れていかないでくれ。
まだ、まだアイツと生きていたいんだ。
もう残りもないこの日々で俺はお前の事だけを考える。
お前にはもう前を見てほしいのに、俺の心はずっとお前を求めてる。
死にたくない…そればかり思う。
けれど、そんなこと口にしたらまた君を苦しませてしまう。
あの日からずっと見舞いに来てくれたお前
やっと出掛けてから俺の思いも伝えて笑ってくれるようになったのに戻してしまう。
ダメだ…ちゃんとやりきれ…!
最後はもう決まっているんだ…
お前にカッコ悪いとこなんて見せたくない 愛するお前だから思うこと。
ふぅ…ッ…
最後の指を力なく折り終える。
さよならレトルト
お前と過ごせて幸せだったよ。
俺は見舞いの時間が過ぎた後、静かに目を閉じた。