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「おいおい、こういうところではやばいだろ。抱きつくのはよせ、誠也」

「大丈夫です、僕らしかいませんから」


 誠也は私の付き人として寄り添ってはいたものの、他にも数人弟子がついた。

 他の弟子よりも特別扱いしたけどやはり倫太郎の方がいい……。

 あの子はやはり賢い、これに気づいていたの。でも弟だから見放すことはないのに。


「こらこら、そんなに甘えて……誠也」

「いいでしょ、夏はこう」


 よしよし、良いわよ夏彦。名前を呼び合えば更なる証拠になるわ。


 ……てか夏彦。懲りない、この男は。


 私が夏彦のモラハラで苦しんでいると相談され、かつて愛した恋人の夏彦がそんなことを……とショックを受けた誠也。

 諦めたのに、姉の幸せのために、夏彦の幸せのためにと誠也は身を引いたそうだ。


 ああ、心苦しい。でもこんな夏彦の毒牙に塗れなくてよかった。姉の私が代わりに……。


 私は誠也が夏彦の恋人と知らず彼の知識や技能を利用して調べるのを手伝ってくれた。録音テープや記録でその事実を知り、探偵を雇うと他の女たちの影。


 ショックだった。軽蔑もした。夏彦は情報を出してくれた時は毅然とした態度だったけど私の知らぬところで泣いていたらしい。ごめんなさい、そんなこと知っていたら……。



「流石に姉さんも夏彦さんの相手が僕だなんてわからないでしょう」

「そうだな。はははっ、ほんとあいつもバカだなぁ」









 この音声を私はホテルの駐車場で聞いていた。誠也が鞄に仕込んだマイクで。


 誠也はやはり許せなかった。だから自分が夏彦と付き合っていたことを私に告白した。


 私は大いに喜んだ。誠也を思いっきり抱きしめた。そして誠也の悲しみも。


 離婚してから夏彦は仕事を辞めて友人と起業をしていた。

 そしてすぐに知り合いから紹介された女性と結婚したのだ。

 だが私への養育費や慰謝料が滞っていたのだ。




「……バカはあなたよ……」




 と私は車から出てホテル直通のエスカレーターに乗った。




 終


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