TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する




俊太の実家は広島で、ご両親は牡蠣漁師だ。そして海上自衛官をやっている彼の仕事は、海上自衛官の船で食事を作る人で「給養員」と呼ばれている



給養員は自衛隊員であり、艦艇や基地で隊員の食事を調理する専門職だ


給養員は階級を持ち、通常は海曹(下士官)として配属されていると、俊太が説明してくれた時の口ぶりはとても誇らしそうだった、あたしは彼を誇りに思った




二人の出会いは去年のクリスマスイブに大阪港のナイトクラブで出会った



そこはあたしが時々男漁りに出かけるバーで、にぎやかで若者しかいなく、活気に満ちている



バーはリーズナブルで程よく酔える酒を出しDJブースでは流行の音楽が流れ、光が点滅するその店をあたしは気に入っていた



男達のほとんどは酔っていて、あたしは挑発するような黒のミニドレスと男を誘うハイヒール姿で、背中までの髪をウェーブに巻き、おぼこい27歳のあたしはまるで見た目ティーンエイジャーの様だ




バーの向こうで男の子数人で固まっている中の一人と目が合った



あたしはここで小芝居を始める、キョロキョロと周りを見ながらドリンクを飲む



するとさっき目が合った男の子が気が付くと隣にいた




「何飲んでるの?」




彼はそう言ってあたしに興味を示した





「カルーア・ミルクよ」





あたしは多分バーにいる若い女の子の中で一番年上だったけれど、他のビッチな娘達よりずっと品があった




「一緒に来た子とはぐれちゃったの!あの子ったらさっきトイレの前で話してた男の子と先に帰っちゃったんだわ!あたしを置いて!」




あたしはいかにも不機嫌そうに言った




「それは大変だね」




少年は嬉しそうに優しく微笑んだ。あたしはカルーア・ミルクをくいっと飲み干した




「帰るわ・・・・声をかけてくれてありがとう」



「え?ちょっと待ってよ!もう一杯飲まない?おごるよ!」




彼はあたしの立派な胸に見とれていた、大きく襟ぐりが開いたドレスからは、アルファベットのYの字の見事な胸の谷間が覗いていた





あたしは今までの経験上、道ですれ違う男性、少年、だれかの夫、教師、家族の友人など・・・男性にジロジロと胸を見られていることに慣れていた




十二歳の頃から胸は豊かだった、初めのうちはそれが嫌で痩せることで胸を小さくしようとしたり、小さいブラジャーで押さえたりしたけど胸はつぶれなかった




少年は自分の事を「俊太」と名乗った。そして彼は間違いなく巨乳好きだ、彼が初めてあたし(もしくはあたしの胸)に目を留めた時からそれはわかっていた



最初あたしは彼のことは若すぎると思った。顎にはまだニキビがあったけど、後頭部刈り上げの茶髪、サラサラの髪と自衛官で鍛えられた筋肉質な体と、笑うと子供のように可愛らしい所が気に入った




あたしは彼を自分の家に連れて帰り、船乗りが陸に上がって一番したいことをさせてあげた



他の多くの男達と同じように、彼はあたしを上に乗せて愛し合いたがった。そうすればあたしが動いている間、顔のすぐ前に胸が来るからだ




あたしは彼が喜ぶようにわざと胸を揺すって動いてあげた。彼は感動していた




大サービスもしてあげた、彼を仰向けに膝に乗せ胸をいじらせながらしごいてあげた



彼は顔を真っ赤にし、大興奮して赤ちゃんの様にあたしの胸をチューチュー吸っていた、どうして男ってこんなにバカなんだろう



ことが終わった後、シャワーを浴びて部屋に戻ると驚いた。てっきり俊太は今までの男と同じ、服を着て帰ろうとしているのだろうと思っていたのに、彼はあたしのベッドの布団にくるまって、あたしを見るなり両腕を広げ抱きしめ、そのまま眠った




朝になっても彼はまだそこにいた。なのであたしは彼のために朝食を作ってあげた



そしてまた二人はベッドに戻った。昼食をとって、またベッドに戻った、それからまる一日はほぼそんな時間が続いた




やがて二人は外に出かけることにした、彼はあたしを恋人のように扱った




二人の初めてのちゃんとしたデートは、大阪港にある国立海洋博物館だった




俊太は途中にある歴史博物館で、歴史的建造船を色々と教えてくれた。彼は自衛隊の船に詳しかった、あたりまえの話だ



俊太は24歳であたしより3歳も年下だ、そして驚いたことに彼はそのままあたしの家に住み着き、次に海に戻るまでの3か月、一緒に暮らした





それほど長い期間じゃないことは十分わかっているけれど、その間あたしは彼と結婚しているような気分になっていた




当時毎日あたしの働いているスーパーマーケットまで彼が迎えに来てくれて、手を繋いで歩き、一緒に食材を買って帰って彼が食事を作ってくれた。彼は料理が上手かった、当たり前の話だけど、あたしは彼を養った



彼があたしを愛していることはわかっていた。彼がそう口に出した、決まって射精する時に




彼はあたしより年下だったけれど、身を固めるには充分な年だ。あたしは思った、あたしたちはお似合いだ




彼は笑顔が絶えない人だし、セックスは今までの男に比べたら思いやりがあった



今現在あたしが妊娠していることを、俊太は知らないあの愚かな子は二人が別れたと思っている




あれは彼が船に戻る1週間前、あたしがいつものようにコッソリ彼のスマホを除いて、彼のLINEのやりとりや彼のアカウントで、SNSの履歴を見て回っている所が見つかったのだ



彼は怒ってあたしを非難した、まったく悪びれないあたしを見てプライベートは大事だとか、真希はおかしいとか言って大げさに騒ぎたてた




「君とはもうやっていけない」と、俊太は足音も荒くあたしのアパートを出ていった



あたしは追いかけなかった、真夜中過ぎ彼は酔って帰って来た、あたしも怒っていたので彼を相手にせず寝た



翌朝あたしは仕事だったので、寝ている彼を残して朝食を作り置きして仕事に出かけた



戻ってきた時には彼はもういなかった、お茶碗は綺麗に洗われ、置き手紙がテーブルにあった




手紙にはたった一言





―3か月楽しかった、さようなら―





LINEも電話もインスタもブロックされていた。そんなことはわかっていた



あたしはただ二人の愛を守ろうとしたのだということを俊太はわかっていない



俊太は一緒にいる時に語っていた、昔付き合っていてひどくふられた元カノのインスタを、今だにフォローしていてビッチな元カノの水着の投稿に「いいね」をつけていた



あたしは人の恋人や夫を嬉々として、盗む女が大勢いることを知っている




あたしが彼のスマホを見たのはそれが理由だ、フラフラする男の子は、キチンとした監視が必要なのだと彼はわかっていない

loading

この作品はいかがでしたか?

0

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚