テラーノベル
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「何を考えてる?」
火曜日の早朝、まだ起きなくてもいいのに目が覚めてしまった。
「なんで…起きてるってバレたの?じっとしてたのに…」
「呼吸」
「ふーん…」
「で?俺の奥さんは、4時間足らずで目覚めて何を考えてる?」
仰向けになった羅依は素肌の上に私を乗せると、チュッ…唇の端に軽くリップ音を立てたあと私の髪に指を通し始めた。
「30分のシミュレーション」
「20時までに何回するんだ?今まだ6時過ぎだぞ?」
「…数学苦手」
「算数レベルだが?」
「寝起きに勉強させる旦那さまってどうなの?」
「どう思うんだ?」
「意地悪」
「嫌か?」
「好き」
「ヤる?シミュレーションから逃避させてやる」
「っ…返事を待たないんだ…」
「コレ、待てると思うか?」
「おもいっきりゴリゴリ押し付けるの…?講師の腰は労ってよ?」
「善処する」
そう言った羅依は私の首にしゃぶりつき、大きな手で胸をもてあそび始めた。
レクチャーの告知には、私の簡単な経歴が添えられ‘サイサイと誰でも楽しめるクラブダンス’と書かれていた。
私は初心者の練習でよく使われる音楽を片っ端から聞いて、30分の音源を2パターン用意した。
でも誰でも楽しめるように出来るのだろうか…
「で?今度は何を考えてる?」
羅依の出勤に間に合わないかと思い、シリアル朝食にした。
玄米フレークにバナナを乗せて牛乳をかけるだけ。
それと昨夜残ったポテトサラダを少しずつ食べながら
「講師って何着てやればいい?って思ってね」
玄米フレークのふやけ具合を確かめる。
私はふにゃふにゃになり過ぎない好きな柔らかさで一気に食べたい派だ。
羅依はバリバリ言わせているね。
「何でもいいだろ?」
「そうなんだけど…緩いパンツよりレギンスの方が動きが確実に見せられるわけよ」
「才花、考えるのはそこじゃなくクラブダンスってことだ。細かい膝の動きより、乗りで楽しんで動けることが大事。才花が今考えているのは、選手育成コース」
「そっか…そうだね。アハハ…トレーニングみたいな格好で行ったら逆に出禁?」
「才花だけは何でもあり」
私はクラブの雰囲気を考えて、着丈が短いのに加え胸もカットアウトされている黒の長袖カットソーを選んだ。
カットアウトの上部が首のベルト型チョーカーになっており格好良く装えるので、パンツも黒。
トップスはボディラインをピタリと拾い、パンツは緩い。
これでいいよね。
鏡の前で全身を見て、クラブでのレクチャーの難しいところは鏡がないところだと思う。
でも羅依が言ったように、乗りで楽しんで動けることが大事…うん、大丈夫。
コメント
4件
おー!!サイサイ先生だ🤩 後ろのほうでコッソリ参加します💦
早速SS①ありがとうございますm(_ _)m 才花ちゃん張り切ってますね💃🕺
まぁさんSS①ありがとうごさいます🫶 サイサイ先生お待ちしておりました〜!!! Scenic Gem🪩1番乗りで並びますよ〜💪 ボディコンじゃなくて🤣私もダンスしやすくて、でもちょっと小洒落た格好にします♪₍₍ (ง ˘ω˘ )ว ⁾⁾♪ 羅依の「才花だけはなんでもあり」も聞けたし、さぁ!行くぜ〜!ヒャッホーε=ε=((ノ≧∇≦)ノ