赤side
三人でのコラボが終わり、お酒も周りトイレに行った時、聞こえてきた。
「やっぱ、るぅととするゲームめっちゃ楽しいわ笑」
「ははっ、僕、さとみくんとエペもしたくて…」
なんでかな、もう。
二人の会話にいいな、と思う自分がいた。
内緒だったけど、俺も練習していたんだよ?さとみくんに教えて貰った時楽しくて、配信では色々言っていたけれど二人でした時は相手にダメージ入れたら褒めてくれて。
それがスゴく嬉しくて、一人で練習して、もうちょっと上手になったら誘って二人でやろう。そう思ってたの。
るぅとくん、いいなぁ。
俺も一緒にゲームしてたら、楽しいって思ってほしい。
可能であるなら、君の一番で、
…ズルいよ、
っ…!俺、今日変だ、さとみくんに俺のこんな思い知られたら、面倒臭いって思われちゃうよ。
さとみくんはるぅとくんとするゲームが楽しい、じゃあ、俺がもっと上手くなればさとみくんも楽しいって思ってくれる。
「た、ただいま」
「あっ、おかえりりぃぬ!」
お酒の力もあっていつもよりふわふわとしている彼、彼のなにかのスイッチが入ってお泊まりなんかになったら俺がイヤだ。
帰れるうちに帰ろう。
「るぅとくん、いつ帰る?」
「んぅ、りーぬとかえるぅ!」
「え、お前ら帰んの、」
泊まっていくかと思った。なんて顔をするさとみくんとなにか誤解した察しをするるぅとくん。
「ふふ、僕トイレ〜」
残された俺ら、口を開いたのは彼だった。
「泊まってけば、お前ら酔ってるし。」
「いや、大丈夫。泊まってくのもあれだし、」
…あ、今の、可愛くなかった
「…あっそ、んじゃ送るわ、」
イヤそうな、顔
俺の苦手なその顔に、ついカチンときた。
「何、その態度。」
「…お前そこなに、ダルいわ」
「りーぬ、?」
彼に言われた。俺が気にしてたこと
喉が塞がれたかのように声が出ない。そんな時、トイレから戻った相棒が。
「あっ、るぅとくん!もう帰ろっ…」
「るぅと、お前泊まってけば?」
「は?」
「酔ってるしな。危ねぇ。」
そう言われ、どうしようと迷うるぅとくんを横に考えた。
いくら酔っていて、危ないからって家に泊めるか?
彼女持ちとしてどうなのか、という目をして彼を見つめると、
「なに、お前も泊まんの?」
なんて、もう超超超〜不機嫌。
俺もあんな事言ったからには泊まりたくはない
「いい、るぅとくん泊めれば?」
「何だそれ、マジ可愛くないなお前」
可愛くない、、
俺、そう思われてた?
「…帰る、」
ドアの隣にあるリュックを手に取りさとみくんの家から出た。
「びっくりしたぁ、行成飛び出てくんだもん。」
「るぅとくんごめんね…泊まってっても良かったんだよ?」
「ううん、りぃぬの事心配だったし、さとみくんの家に僕が泊まるのもでしょ?」
あの後、家を飛び出した俺をすぐに追い掛けてくれたのがるぅとくん。
俺たちの些細な喧嘩に巻き込んでしまったのに心配まで、彼には感謝しかない。
この喧嘩で、悪いのは俺だ
るぅとくんに嫉妬して、ゲーム出来る事が羨ましくて。妬ましくて。
恋人以前に仲間なのに、るぅとくんが彼の家で過ごすことが嫌で、嫌な態度とって。
大切な仲間にこんな感情を持ってしまう
なんて醜いんだろう
俺は全然、無害じゃないよ。汚くて、汚くて
こんな自分嫌いだ。
「りぃぬ…!」
はっとすればここは俺の家の帰り道。
考え事をする俺を心配して家まで送ると言ってくれるるぅとくんに感謝しながら家まで帰った。
家に帰って、一先ず顔を洗ってさっぱりしようと洗面所へ向かい洗顔料を少し出して、…
ふと、目の前の鏡の自分を見たとき、先程彼に言われた言葉を思い出してしまった
『可愛くないな』
嗚呼、どうしよう。
何気無い彼の一言に弱くなる自分がいた。
俺は、どこが可愛い?
目の前の自分はお世話でも可愛いとは言えない疲れたような顔だった。
大切な仲間にサイテーな事を思うほど、性格だって汚れてる。
自分の好きな声も、今は嫌いになりそうで、
『可愛くないな』
最初から、思ってたのかな。
ごめんなさい
重いよね、嫌だよね。こんな彼女。
どうしよう、こんな思い知られたら
俺のこと、嫌いになるかな。
イヤだよ。捨てちゃダメ。
なんて、我儘だよな。
彼から貰った鍵も、アクセサリーもすべて持って、彼の家に歩いた。
彼の家に着いて、インターホンを押すのも、と思ってアクセサリーやさとちゃん家の鍵はポストにかけた。
『さとちゃん。さっきはごめんね
後で、ポストの中見といてください』
汚い俺を知られたくなかった。
俺のあんな思いを知られて、嫌われるのが嫌だった。
嫌われるくらいなら、もう、俺が
俺は、さとちゃんの理想とは違くて。
自分勝手で、ほんとごめんね。
マンションの入口でボケーッとしてると
チンっ
と、音が鳴った。人がきたみたい。
俺もそろそろ行こうかな
そう思ってマンションを出ようとした時、
「…りぃぬ、?」
ビクッ…
彼の声だった。
「やっぱりぃぬよな?」
「話したかった、上がれよ……って、は?!
っちょっ、りぃぬ…!??」
走った。
追いかけては、こなかった
コメント
29件
フォロー失礼します🥲 主様のストーリー大好きです、🫶🏻
ブクマフォロー失礼しますm(*_ _)m もう最高です!!!
わぁぁぁ…!(語彙力皆無)最高でした✨️ ブクマとフォロー失礼します!