“あんたってほんと………”
“昔からなんにも変わってないんだね――”
“そういうとこ”
“そういうとこが…………好き”
『不本意な不意打ちは強すぎる』
.。o○―――開幕―――.。o○
―――ある夏の日の放課後
ひとり取り残されたかのように教室内で佇んでいる生徒__
《氷室侑李(ひむろゆうり)》。
彼と私は幼馴染だ。
昔から意地悪で、悪戯好きだったのをよく覚えている。
だが不思議なことに、彼以外のことは何一つとして頭にない。
小学生だった当時、私は思い出など思い出すこともできない。
彼の記憶だけが繊細に残っている。
その理由はただ一つ。
『彼が好きだから』―――。
これは現在進行系。
今もずっと想いを寄せている。
まさかこんな奇跡が起こるとは思ってもいなくて。
だが、そうそう私の思うままに 恋は進まなかった。
切なくて、胸が苦しくて___
“キミは前から変わってしまった”
だけどそう思うのは、私だけではないらしい。
彼も言うんだ。
“お前、変わったよな”
って。
それがいい意味か悪い意味かは、彼の瞳を見ただけですぐ分かった。
侑李は意見を貫き通すタイプ。
私がせがんでも悔やんでも、願いが叶うことはないのかも知れない。
でも好きなのは変わらない。
だから―――
「絶対――………」
「絶対、振り向かせてみせるから!!」
真っ赤に染まった夕日にひとり、
声を荒げた。
―――次回
第一話
コメント
9件
めっちゃすごいやんなにこれw
プロローグは短いほうがいいよね