テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
夜の路地裏。倒れた男は震えていた。
「な……なんでだ……」
「俺の能力が……消えた……」
黒崎レイは静かに男を見下ろす。
「暴走する能力者は危ない」
「その力、持っててもろくなことしないだろ」
男は叫ぶ。
「ふざけんな!!」
「能力は俺のものだ!!」
レイは少しだけ目を細めた。
「そうだね」
「でも――」
「もう俺のだ」
その時だった。
パトカーのサイレンが遠くから聞こえる。
レイは空を見上げる。
「……来たか」
屋根の上から声が落ちてきた。
「そこまでよ」
シュッ――
一人の少女が屋根から降りてきた。
長い黒髪。
鋭い目。
そして腕には
銀色の腕章。
そこには文字が書かれていた。
《異能管理局》
レイは小さくため息をつく。
「やっぱり来た」
少女はレイを睨む。
「あなたが噂の――」
「異能狩り」
空気がピリッと張り詰める。
サラリーマンは慌てて逃げていった。
少女はゆっくり歩いてくる。
「名前」
「黒崎レイ、でしょ」
レイは少し驚く。
「……よく知ってるね」
少女は腕を組む。
「当然」
「あなた、管理局のブラックリストよ」
レイは苦笑する。
「光栄だな」
少女は冷たい声で言う。
「異能を奪う能力」
「危険すぎる」
「ここで確保する」
レイは肩をすくめる。
「断る」
その瞬間。
少女の手に青い光が集まる。
「抵抗するなら――」
「力づく」
次の瞬間。
地面から
氷の槍が飛び出した。
ズガン!!
レイは横に跳ぶ。
「うわっ、危ないな!」
少女は冷静に言う。
「私は 氷の異能者」
「逃げられると思わないで」
地面から次々と氷が出現する。
レイは屋根へジャンプする。
「本気だね」
少女は空を見上げる。
「あなたを捕まえるのが任務」
「それだけ」
レイは少し考える。
「……めんどくさい」
そして次の瞬間。
レイの手に電気が走る。
バチバチッ!!
少女の目が見開く。
「それ……!」
レイがさっき奪った能力だった。
「さっきの能力者の力」
「もう使えるんだ」
レイはニヤッと笑う。
「便利だろ?」
次の瞬間。
雷が走る。
ドォン!!
少女は氷の壁で防ぐ。
「っ……!」
氷が砕け散る。
少女はレイを睨む。
「本当に危険な能力ね」
レイは軽く手を振る。
「心配しなくても」
「君とは戦う気ないよ」
少女は冷たい声で言う。
「嘘」
「あなた、能力者を狩ってる」
レイは少しだけ黙る。
そして静かに言った。
「……悪いやつだけだ」
少女は一瞬驚いた。
その隙に。
レイは屋根から飛び降りる。
「じゃあね」
「また会うかも」
少女は叫ぶ。
「待ちなさい!!」
しかしレイは
闇の中に消えていた。
静かな夜。
少女は拳を握る。
「黒崎レイ……」
「絶対捕まえる」
遠くのビルの屋上。
レイは街を見下ろしていた。
そして小さくつぶやく。
「……管理局まで出てきたか」
夜風が吹く。
その時。
後ろから声がした。
「へぇ」
「思ったより面白そうな人じゃん」
レイが振り向く。
そこには――
金髪の少女が立っていた。
赤い瞳。
不敵な笑み。
「ねぇ」
「君」
「私と組まない?」
レイは眉をひそめる。
「……誰?」
少女は笑う。
「私は 能力者ハンター」
そして言った。
「あなたと同じ側の人間」
レイの目が少しだけ鋭くなる。
「名前は?」
少女は答えた。
「ルナ」
そして。
「世界一強い能力者を」
「一緒に狩らない?」
夜の街で――
新しい物語が
動き出そうとしていた。