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夜が訪れると、海上の温度はひんやりと冷たくなり、日中の暑さが嘘のように感じられる。船はゆったりとした揺れを続け、星空が広がる中、メンバーたちはそれぞれの場所で休む準備をしていた。
「やっと夜だ…。」
ゆうなは濡れた服を乾かしながら、ため息をつく。びしょ濡れの状態で海に落ちたせいで、体温が少し下がってしまったが、リオが彼女にタオルを渡して温めてくれる。
「ありがと、みりん。」
ゆうなが微笑んでお礼を言うと、みりんもにっこりと笑った。
「気にしないで、みんな仲間だろ。」
みりんは言いながら、海の風に吹かれる。
その間に、いさなは船のデッキに腰を下ろし、星を眺めながらぼんやりと考え事をしているようだった。みりんはその横に座り、少し不安そうな表情を浮かべていた。
「今日も色々あったな…。」
みりんは自分の心の中でそうつぶやきながら、ゆっくりと目を閉じた。
船の上には寝室らしいものはなく、みんなそれぞれが簡易的に寝袋を広げて寝る場所を確保する。夜の冷気をしのぐため、軽く毛布に包まりながら、星空の下で眠ることになる。
「これ、寝心地悪くないな。」
いさなが寝袋の中で横になり、快適そうに伸びをした。
「お前も慣れてきたのか?」
みりんが目を細めながら、軽く笑った。
「最初は船酔いして大変だったけど、だいぶ慣れてきたわ。」
ゆうなはデッキの端で空を見上げながら、リラックスした様子で言う。
「星がきれいだね…。広い空を見るのは久しぶりかも。」
萌香はその言葉に微笑みながら、ゆっくりと寝袋に潜り込む。
「うん、ここで寝るのも悪くないな。」
その瞬間、船の揺れが少し大きくなり、船の音が少し響く。誰もがその揺れを感じながらも、心地よい疲れに包まれていく。
夜が更けると、船上はほとんど静寂に包まれる。海の音が時折響く中、メンバーたちはそれぞれの寝袋の中で眠りに落ちていった。どこか遠くの島の灯りが見えたが、それを確認したのはただの一瞬だった。
「明日もきっと大変なことが待ってるんだろうな。」
ゆうなは寝袋の中で、そんなことを考えながらも目を閉じる。
船の揺れが心地よく感じられ、次第に深い眠りへと誘われていく。
ゆうながうっすらと目を閉じていると、どこか遠くから足音が聞こえてくる。その足音は徐々に近づき、そして何か声が耳元でささやかれる。
「ゆうな…。」
その声に驚いて目を開けるが、何も見当たらない。船の揺れと共に、また静寂が戻ってくる。
「…気のせいか。」
ゆうなは再び目を閉じ、眠りの世界へと身をゆだねた。