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〈おどろく視点〉
うう、遅くなっちゃった…
ただご飯を買いに行っただけなのに…政府の人たちに絡まれたのだ…
…てあれ?瓦礫…?
私の目の前には、おそらく崩れたであろうビルの瓦礫が積もっていた。
…まあ珍しいことじゃないよね。回り道して…
その時、私の首元すれすれを弾丸が通る。
…危ない、気配を感じたから避けられたけど…
「…誰?」
まるで闇から突然生まれたように、ピンク髪の少女が電柱の側から姿を現す。
「…その見た目…『邪道のななっし〜』?」
私がそう言うと、彼女の影から鎌のような刃が私に向かってくる。
「っ!」
腕と足を狼に変え、私は電柱の上に跳び乗る。
「ふう…」
取り敢えずほっとすると、足が急に引っ張られる感覚がした。
「!?」
見ると私の足に、黒い鎖が絡まっていた。
私はななっし〜の近くまで引っ張られると、ななっし〜を死なせない程度の力で腹を殴る。
「うぐっ!?」
怯んだ隙に、私は鎖を壊して逃げた。
〈凸もり視点〉
「ななっし〜に襲われた!?」
拠点の中を、俺の声が響き渡る。
「うん…見たことない異能だった…」
「…影を操る異能かあ…」
「…『影の死神』、とも呼ばれてるんだよな、卑怯な手でもなんでも使うし、相手の異能の抜け道を一瞬で見抜くから、邪道のイメージ強いけど…」
「…あの子ね…」
見るとおどろくちゃんが悲しそうな顔をしていた。
「本当は、やりたくなかったんじゃないかなって…ななっし~さんの目を見たら、そう思ったの…」
…好き好んで政府の味方をしている人なんて、ほとんどいないからな…
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