幸せな夢

めめは仕事も終わっていたようで、すぐに出てくれた。

『どうした？』と問いかけてくる優しい声を聴いただけで安堵で泣いてしまいそうだ。

💚「ん、あの…ちょっと声が聴きたかっただけ」

🖤「へぇ、珍しいね。眠れないの？」

こういう時のめめの勘には勝てない。

💚「うん、ちょっと」

🖤「触れるのもどうかと思ってたけど、あれから元気ないから気になってた」

あれから、とはもちろんスタッフさんとの一件のこと。

びっくりしちゃった！でも大丈夫だから！と言い気丈に振る舞ったが、そんな上っ面のハリボテで丸め込まれるようなメンバーではないと改めて思わされる。

🖤「なんか怖い事や気になる事ある？」

💚「うん……」

あのさ、と言ったきり何から話そうかわからなくなって黙る俺に、めめは

🖤「そっち行こうか？」

と言ってくれた。

いい、それは申し訳ないと固辞したが、こういう時めめはいい意味で話を聞いてくれない。

瞬間移動くらいの速さで現れ、出迎えた俺の顔を見て驚いてすぐに抱きしめてくれた。

めめ曰く、めちゃくちゃ疲れた顔をしていたらしい。それで、自分の想定よりずっと事態が重いのがわかったんだという。

めめの胸は、忘れかけていたあの夢のあたたかさとやっぱり同じだった。