ある日、私は新しい生活を求めて、とあるシェアハウスの扉を叩いた。胸の奥でワクワクと不安が混ざり合う。
この家で、私は何を見つけるんだろう。
チャイムを鳴らす。
すぐに”はーい!”と元気な声がして、扉が開いた。
「……えっ」
目に飛び込んできたのは、男、男、男……男!!
数えてみたら6人。
いやいや、聞いてた話と全然違うんですけど!?
『いらっしゃい。今日から来るって言われてた如月さんやろ?初めまして、正門良規です。』
柔らかい笑顔の優しそうなお兄さんが手を差し出してくる。
「あ、はい!初めまして。よろしくお願いします!あの……シェアハウスしてる人たちって……」
《俺ら6人と、あんた1人やで!俺、小島健!よろしくな!》
え、えっ……うそでしょ……?
女、私だけなの……!?
「あ、よろしくお願いします……!」
〈前は女の人おったんやけど……まぁ、いろいろあってな。俺、佐野晶哉です。よろしくお願いします。〉
「いろいろ……?よろしくお願いします。」
みんな優しそう
そう思った、その瞬間……
【チッ……俺、女嫌いやねん。……俺は、あんたのこと認めへんから。】
低い声とともに、鋭い視線が突き刺さる。
そして男は私を一目しただけで、スタスタと階段を上って行ってしまった。
「……っ」
えっ……何、あの人……
めっちゃ睨んでくるやん……
ていうか……秒で嫌われたんですけど!?
〔末澤がごめんな。あいつ、ちょい癖強いから気にせんといてな。俺、草間リチャード敬太です。よろしくな。〕
「はい……よろしくお願いします……」
{福本、痛ーい!痛い、痛い、痛い!オレ大晴!}
さっきから、なぜか壁に頭をぶつけ続けている男から声が飛んでくる。
「……あの……」
{今のは笑うところやで!?}
「えっ……あっ、ご、ごめんなさい……」
笑っていいのか本気で迷うレベルのカオス。
でも、みんな不思議と嫌じゃない雰囲気を持っていた。
こうして……
個性大爆発な男6人と女ひとりの私のシェアハウス生活が始まったのであった。







