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え、もう言葉に表せないほど好きです。
何でも許せる方のみお進み下さい。
zmside
俺がいた国は、上下関係というものが厳しかった。
生まれは平民だったため、たまに街に来る貴族たちに奴隷のように扱われた。
誰も助けはしない。それが当たり前だから。
俺はその当たり前が嫌だった。
いつか絶対この国を出る。そう決意していた。
母さんと一緒に。
うちは貧しく、辛かった。
でも、母さんがいたから、俺は今まで生きて来れた。
母の口癖は「何があってもzmは母さんが守るから」だった。
俺にとってその言葉は、魔法のように俺を守ってくれていた。
でも、現実はそう甘くなかった。
戦争が起きた
鳴り響く轟音。腐ったような匂い。逃げまとう人々。
俺と母さんも必死に逃げていたが、俺が途中、足を縺れさせて転んだ。
打ちどころが悪く、立ち上がれなかった。
後ろからは火と、敵兵が迫ってきている。
母は、倒れた俺を一瞥して一言。
『ごめんね』
母は俺の前から姿を消した。
怒りで頭がどうにかなりそうだった。涙が止まらなかった。
苦しかった。
「…クソが」
結局俺。このまま死ぬんかなぁ…。
こんな死に方嫌すぎる。
誰かに踏まれた。逃げている人だろう。
誰も助けてくれるヒーローなんてものはいない。
自分が惨めで、悲しかった。
後ろに、敵国の兵がいた。
俺に見向きもせず、逃げている奴を殺すのかと思ったがどうやら違うらしい。
こんな今にも死にそうなガキをも、殺すんやね…。
そいつは、汚物を見るような目で俺を見る。
俺に唾を吐き捨てると
「じゃあな。クソガキ」
そう言って、俺に向かって剣を振り下ろした。
ああ。俺死ぬんやな。
そう思いながら刃をみつめていると
俺は暖かさに包まれた。
そこには、偉そうな軍服を着た人が俺を抱きしめて、庇っていた。
「大丈夫か?お前」
とても優しい瞳をしていた。
そんな瞳を見ていると、胸がいっぱいになる。
ふと、気づく。
俺に向けて振るわれた剣は、この男の人の腕を、切り落としていることに。
血の気が引いていくのがわかる。大変。すごい血だ。
「…。俺は大丈夫やで」
俺の不安に気づいたのか、にっこり笑う。
後ろにいた敵兵が悲鳴をあげて逃げていく。
この人は、すごい人なのだろう。
「…。お兄さん。名前、なんて言うん?」
「俺か?」
「俺は我々国書記長のトントンや!」
その会話の後の記憶はない。多分あの後、俺は気絶したのだろう。
起きたら俺は我々国に保護されていて、一般人として暮らしていた。
そんな生活ともおさらば。
16歳になった俺は、軍に入り、書記長様に恩返しをするのである。
「ふーん!待ってろよ!俺が絶対に守ってみせるからな!」
回覧ありがとうございました。
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