「私だけを見て」
「ねー千夏。今これ回ってきたんだけどさぁ」
夏休みもあと少しで終わりのある日。
図書館で勉強した帰りに、友達が私にスマホを見せた。
「ん? なに?」
何気なく画面を覗き込んで、はっと息を飲む。
SNSの投稿写真に写っていたのは、佐伯と腕を組む三上妹の姿だった。
(なんで……)
ショックで固まっていると、友達も一緒にスマホを覗き込んだ。
「同じ部活の男子が三上さんのSNSのフォロワーでさ、「望月ピンチかー?(笑)」とか言って回してきたんだよ。バカだよねー。千夏は佐伯さんのこと苦手だから、ラッキーなのにね!」
友達は私がレンアイゲームを嫌がっていたのを知っているから、明るい調子で言ってくれる。
でも今の私は、三上妹に腕を組まれ、どこかあさってのほうを見ている佐伯に胸が引きつった。
それから友達と別れて家に帰るまでの間、どこをどう帰ってきたのか覚えていな**************************
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