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――2週間が経過した。
1週間前、マナは堀越医院で中絶手術をした。そしてそれから数日間、マナは風邪で熱があるといって学校を休んでいた。実際は中絶後の肉体的な安静と精神的なストレスのケアが必要だったためだ。それでも10日間の休みを経て、再び登校して来られるようになった。
学校を休んでいる間、マナを気にかけ、学校にいつでも来られるように配慮してあげたのは、意外にもゆずきだった。マナの妊娠が原因でギクシャクした関係になっていたはずのゆずきが力になってあげていた。ゆずきは学校を休んでいたマナの自宅に毎朝登校前に迎えに行ってくれた。放課後になると、宿題のプリントや授業で書き留めたゆずきのノートのコピーを届けてくれていた。その甲斐あって、心に深い傷を負ってしまったマナだけど、学校に来られるようになった。
また、妊娠騒動の責任を取ることになった俺は、両親に薦められた大学を受験させられることになった。小さい頃から抱いていた医者になるという夢はここで断ち切られてしまった。仕方ないと割り切れる程俺は大人ではないけど、マナのためだと思うと誰も責められなくなってしまう。
母からは、マナとは学校以外の場所で会うのは固く禁じられた。医者の夢を諦めるという約束はしたし守ったけど、マナと会わないという約束をした覚えはない。だから俺は以前と変わることなくマナと一緒にいた。それに今回の件で改めてわかったが、マナの友達と呼べる奴は俺とゆずきしかいない。だから、例え周りから反対されようが、非難されようが俺らはマナの味方でい続けるつもりだ。