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――エレベーターの扉が閉まったとたん、白石さんが非常停止ボタンを叩いた。軽い衝撃とともに、箱が静止する。
あっけにとられていると、彼女は逃げ場を塞ぐように僕を壁に追い詰めた。密室の中、僕の胸板に置かれた彼女の手から、体温が伝わってくる。
「……白石、さん?」
返事の代わりに、彼女は僕のネクタイをぐいと引き寄せた。
「今ここで、カメラの前で『わからせ(お仕置き)』されるのと……おうちに帰ってから、たっぷりされるの。……陽一さんは、どっちがいいですか? ♡」
耳元で囁かれたのは、とろけるような甘い声だった。僕の退路はボタン一つで、完全に断たれてしまったのだ。
「陽一さん。今日、SEとして会社を救った姿……すごくかっこよかったです。私、もっともっと、好きになっちゃいました。だけど……。何か隠してること、ありますよね?♡」
至近距離まで顔が迫る。鼻先が触れ合い、彼女の長い睫毛の動きまで克明に見えるほどの距離で、白石さんは妖しく微笑んだ。
風宮 むぅまろ(っ'-')╮