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ぷりっつ視点
梅雨入りして間もない6月。雨が降っていたが、小さい頃に莉犬君と作った秘密基地に来ていた。
”家に居づらかったから。”そんな思春期によくある理由で。いつも通り適当にゲームでもして時間をつぶしていた。
「ぷりちゃん、いるの?」
莉犬君の声がした。いつもとは違う、泣きそうな声だった。
「あのね、俺、昨日人を殺したんだ。」
すすり泣く声がする。とにかく、話を聞くために扉を開けた。
雨の中、傘もささずにここまで来たのだろう。ずぶ濡れのまんま、部屋の前で全て諦めたように肩を震わせて泣いていた。
基地に入れて落ち着いてもらった後、莉犬君はここまでのいきさつをぽつりぽつりと話し始めた。
「殺したのは隣の席の、いつも虐めてくるアイツ。俺がぷりちゃんにいつも愚痴っていたヤツ。」
俺と莉犬君は別の高校へと進学したため、学校での莉犬君の姿はよく知らない。それでもこうやって秘密基地に集まって遊んでいた。その中で、4月の下旬あたりから相談は受けていた。「俺のことを目の敵にしてくるヤツがいる。」と。
「もう嫌になって、帰り道、肩を突き飛ばしたんだ。、、、打ち所が悪かったんだと思う。う、動かなくなって。」
そう語る莉犬君の目は恐怖や焦燥、絶望に染まって揺れていた。
「、、、っ。」
俺は何て言えばいいのかわからなかった。「莉犬君は悪くない」?「仕方ない」?どちらにせよ部外者の俺が言えることではないと思った。
「「、、、。」」
少しの間沈黙が流れた後、莉犬君は寂しそうに笑って、
「もうここにはいられないと思うし、どっか遠いところで死んでくるよ。」
「唯一の親友のぷりちゃんにも迷惑はかけたくないからね。」
「だから、」
「待って。」
莉犬君が何を言おうとして、何を考えたのかわかってしまった。
そんなの許せなくて、待ったをかけた。
急に言葉を発したことに少し驚いている莉犬君に、俺は言った。
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