テラーノベル
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大学での、初めての授業。
「渚沙冬花ちゃんだよね?」
同級生に聞かれる冬花。
そのまま「芸能界の顔」で応じる。
笑顔。
愛想。
受け答え。
全部、何年もやってきたもの。
まわりには人だかりができる。
そんな中、
教室の隅に見向きもしない男を見つける。
ふと、時が止まるような感覚を覚えて、
吸い込まれるように彼の前に立ってしまう。
不思議そうな顔をする直弥。
「あなた誰?」と冬花。
作り笑いを浮かべて、
「不思議なこと聞くね。」と直弥。
「(……あ。)」
⋯この人。笑ってない。
授業が終わって、
直弥は階段を降りている。
冬花が背後から
「ねえ。」「名前、聞いてなかった。」
「…浅井、直弥。」
笑顔のまま、答える直弥。
「浅井くん。」
「冬花と付き合ってくれるわよね?」
「え?」直弥は少し驚いた顔をする。
「……うん。」また、笑顔に戻る。
「なんて、呼べばいい?」
「冬花」
「冬花ちゃん」
「冬花でいい。
皆、冬花ちゃんって呼んでるから。」
少し、「どういうことだろう」という表情をする直弥。
「…そう。よろしくね、冬花。」
フジファブリック『桜の季節』。
コメント
1件
おお、第7話!冬花が「笑ってない」って直弥の本質を見抜く瞬間、すごく好きだわ。あの作り笑いをずっと身につけてる芸能界の顔が、初めて自分と同じ“偽物じゃない”誰かに出会う感じ…。最後の曲名も相まって、すごく静かな緊張感が続く良い回だった。続き気になるなあ🔥