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⚠️注意⚠️
暴力・流血表現
ただ、幸せな時間は続かない。
無情にも、革命が起きた。
家の前に出ると、主とロシア帝国が向かい合っていた。
俺の表情は一切変わらなかった。
ロシア帝国は剣を。主は銃と鎌を手にしていた。
圧倒的に、主のほうが有利なのは言うまでもない。
俺は、粛々と主の、ソビエト(評議会)のドールとして。
見届けなければいけないのだ。
ーーバンッ
鈍い銃の音が聞こえた。
弾かれたように、ロシア帝国は後ろへ一気に倒れた。
汚い音を立てて、ロシア帝国の頭の部分には赤の花が咲いた。そして、白銀の雪に溶け込む。
主は、今までの怒りに身を任せてか。はたまた、運命に身を任せたのか。
ロシア帝国の体を手にしていた鎌で切り刻み始めた。
俺は、初めて主が恐ろしいと思ってしまった。
ドールであるからには、思ってはいけないことだ。
だが、俺はそんな事を一瞬思考してしまった。
騒ぎを聞きつけたのか、炎露がドアを開けてこちらに来た。
だが、炎露は表情1つ変えなかった。今の俺と、全く同じような顔をしている。
辺りは血の匂いが充満している。
俺の足元まで白銀の雪ではなく、赤に塗れた雪だった。
息子に殺されたのにもかかわらず、ロシア帝国の死に顔は、至って穏やかだった。
これで良かった。とでも思っているのか?
……わからない。
だが、今はそんな事を考えている暇は無い。
兄さんがすでに死んでしまっているかも知れない。
どうか時差があってくれ。せめて、遺言ぐらいは聞かせてくれ。
そんな淡い願いを胸に、俺は主に背を向けた。