⚠ちょい史実
CPじゃなく中国と日本!って感じで書きました。だがしかしブラコン。
日本とはもう何年の付き合いになるだろうか。
数えるのはいちいち面倒臭いが、1500年は超えているだろう。
そりゃあ1500年も付き合いがあれば心を開いてくれる。それは嬉しいことだが…
「中国さんそれ取ってください。いいから早く」
「なんですかそのつまらないダジャレ」
「あーはいはい善処善処」
「勝手に来ないでください」
「中国さん?恥ずかしいと前も伝えましたよね?早く離れてください」
「おたんこなす」
「ばか」
「爺」
いくらなんでも冷たすぎるある!!!!
日本がそっけない態度をすることは今に始まったことではないが、最近の日本の冷たさは異常だ。何を言っても否定から入り、おもてなし国家要素も、我相手にはおもてなしのおの字もない。逆に客である我が世話係ときたものだ。笑わせようとダジャレを言うが辛辣な言葉を吐かれ、酷いあるー!とか言ったら善処善処と思ってないことを口にしてくる。昔みたいにスキンシップをしても冷たくあしらわれた。てか爺ってお前も爺あるよね?
「耀さん何ぼっーっとしてるんですか」
「……お前のせいある」
「意味分かりません」
そう。今は世界会議中で久しぶりに早く会議室についた我は、今日、日本の隣に座っていた。
「会議ぐらい真面目に聞いてくださいよ」
「アヘンと美国の喧嘩なんて聞いて何になるあるか」
「今は、そうですけど…」
「てかおめぇまた食べすぎたあるよね。お腹ぷにぷにしてるある」
「あ、ちょ!触んないでくださいよ!」
「正月太りあるか?爺が無理すんじゃねぇある」
「貴方も爺でしょうが」
「我は無理してねーあるー。正月は月見ながら少し酒飲んでただけあるー」
「通りで酒臭いわけですね。絶対少しじゃないでしょう」
「な!?失礼な奴あるなぁ?一瓶だけあるよ…」
「はぁ。ではこの前ご挨拶に伺った際に空の瓶が5本ほど置かれていたのはなぜでしょうかね」
「げ、幻覚じゃねぇあるか、?」
「そんな訳ないでしょう」
日本が言った時、ちょうど会議終了の鐘が鳴った。
その瞬間日本はすぐさま荷物をまとめ、席から立ち、会議室から出ようとしていた。
だが、そう簡単に帰れる訳もなく、途中でアメリカに捕まっていた。嫌なはずなのに営業スマイルを向けている日本にムッとする。それを横目で見ながら自分は頬杖をついた。
(我には笑顔も向けねー癖に…)
遣隋使とやらが我のとこに来た時代は、日本はまだ餓鬼だったし営業スマイルも習得してなかった。だからだろう。そのまま仲良くなったから営業スマイルを習得しても、我には使わなかった。だけど、我もそんなデタラメな笑顔を向けてほしい訳じゃない。昔は純粋な笑顔を向けてくれていたのに、今じゃそんな素振りを一向に見せてくれない。それならいっそ…営業スマイルでもいいから、我の隣で笑ってほしい……なんて、
「ああぁうぜぇあるぅ………」
「先生どうしたんすか」
「日本がうぜぇある…」
「喧嘩でもした的な?」
「したけどそんことじゃねぇある、」
「じゃあなんすか」
「……日本が我の前で笑ってくれないある、」
我のセリフを聞き、香港はアメリカと喋っている日本をチラ見した。
「あんなん営業スマイルっしょ。大丈夫的な」
「我の前では営業スマイルもしてくれねぇある、」
香港は呆れたように口を尖らせる。
「それは日本が先生に心開いてるってことつしょ」
「じゃあ何で最近我の前じゃ笑ってくれないあるかぁぁ、!」
「あ、いい案がある的な」
「?」
「もうすぐ先生の誕生日っしょ?それで日本が喜ぶもの用意すればいい的な」
「その考えは無かったある……よし、ものは試しね!やってみるある!谢谢香港!」
元気よく感謝を伝え日本を目に映した。
(ぜってぇ笑顔にさせてやるよろし!)
そして誕生日会当日。
何百年、何千年と生きる国達にとって、そういう文化があるロシアや、パーティーが好きなアメリカみたいに、頻繁に誕生日会は開かない。何百年も生きていると時間の感覚がおかしくなる。毎年誕生日会を開くとなると、国にとっては3ヶ月後にまたお祝いされるという感覚だ。流石に誕生日という特別感がなくなるので、国達の誕生日会はだいたち50年に一度開くか開かないかだ。
偶然にも、今日がその日だった。
「よく来たあるな日本!」
「お邪魔します」
大勢の国がてんやわんやと会話をしている中で中国は日本をお出迎えした。
「今回はいつもより小規模ですね」
「気の所為ある」
気の所為なわけない。今回は自分の誕生日会でもあるが、日本に我の前で笑ってもらうのが目的。日本と話す機会を多くするため、今回はアジアの奴らといつもの枢連しか招待していなかった。
「ささ、ご飯も贅沢に作ったある!早く食べるよろし!」
「そんな急かさなくてもお食事は逃げませんよ、」
「だって日本の為に今日のメニューには塩鮭もあるね!」
作戦①好物を用意してくれた我に笑顔でありがとう作戦!ある!
これはきっと笑顔で我に「ありがとうにーに♡」って言ってくれるにちがあたねぇある!なんてったって市場から取り寄せた新鮮な鮭あるからな!
「鮭、ですか」
「そうね。ほら、にーにがあーんしてやるよろし!」
「いや、自分で食べれますから、」
「遠慮すんなある〜」
「あの、ほんとに大丈夫ですから、!」
パクッ。
否定する日本の口を塞ぐかのように箸で摘んだ鮭を彼の口へ運んだ。不服そうに鮭を頬張る日本に期待の眼差しを向けながら笑顔で顔を覗く。
「どうあるか?どうあるか?」
「美味しい…ですが…」
「それから?」
「そ、それから…?」
「えっと……塩加減も丁度良く…美味しいです…」
「それから?」
「何を期待してるんですか、」
ちぇーっと拗ねた顔をしながら自分も鮭を食べる。味も問題ない、すごく美味しい。絶対笑顔で喜ぶと思ったのに。店で普通に売ってる鮭でも笑みを浮かべながら喜んで食べるのに。今日の日本はなんだか不機嫌だ。
鮭を真顔で頬張る日本を横目に見た。
(まぁ次ある次!)
その後も香港と一緒に考えた策を日本に試してみたものの、我に笑顔を向けることはなかった。
②日本にサプライズでプレゼントを渡して笑顔にさせよう!作戦も、逆でしょうとツッコまれた。
香港には却下された③中国の歴史を聞かせてあげよう!作戦も長すぎだと言われてしまった。
④ハグしよう!作戦もハグしたらふっ飛ばされた。
なんかどんどん嫌な方向に進んでいる気がするね…。ぐだぐだしていたら、とうとうパーティーは終盤を迎えていた。
「皆今日は我の誕生日パーティーに来てくれてありがとうある!とってもいい1日だったね」
歓声と拍手が巻き起こる中、やっぱり彼はにこりともしなかった。
お開きの時間、前みたいに日本はそそくさと会場を出ようとしていた。それを見過ごさず、我は日本の肩に手を置き、声をかけた。
「1杯どうあるか?日本」
「満月ですね。綺麗です」
「懐かしいあるね。昔は、よくここで一緒に饅頭食べたあるなぁ」
「そういえば、今日のお食事に饅頭ありませんでしたよね。毎回出ますのに」
「気分じゃなかったある」
「左様ですか、」
「そりゃあ3000年食べ続けたら、流石の我も飽きるもんは飽きるある」
「……日本は、どうなんあるか、?」
日本は首を傾げながら問いに問いを重ねた。
「…どう、とは?」
「日本、今日のパーティー全然楽しそうじゃなかったある。」
「……そ、それは、」
「笑顔の1つも見してくんねぇし、好きな鮭だって普通に食べるし、我の扱いだって……」
「日本は、我のこと飽きたんあるか…?」
月光に照らされた縁側とは正反対に、彼らの間には深刻な空気が流れる。
数十秒沈黙が続いた。空気に耐えられなく、お開きにするため喉を動かそうとするのに合わせ、日本の声が我の耳に入った。
「ずっと…考えていたんです」
「今でも夢に見るんです。あの時のこと…。中国さんにあんな酷いことをしてしまった私が、こうやって笑い合って良いのかと…笑ったら罪が無くなると勘違いしてしまうんです」
「貴方と昔みたいに仲が戻るのが怖くて…ですが嫌われるのも嫌で……どうしていいか分からず、失礼な事を沢山貴方に言ってしまいました。それで気分を害されたのも承知しておりました。……でも…」
膝においていた日本の手には力が入り、スーツがクシャッと縮こまった。
「……やはり、今も昔も、私は中国さんを祝う資格などありません」
一滴の雫が日本の手を伝った。
バカだ。バカある。資格なんて、そんなの。
思わず日本を強く抱きしめた。いつ振りだろう。最後に日本とハグをした感覚が上書きされる。それを忘れないように、ぎゅっ、としがみつくように抱きしめ、左手を日本の後頭部に回した。
「何あるか、それ…資格がないなんて…嘘でも言うんじゃねぇある」
今にも零れそうな涙を堪えながら喋る。
「勘違いするある!そんなつまんねぇこといちいち考えて…我をこんな不安にさせる方が悪い子ね、」
「嫌いになるわけねぇある…こんな可愛くて、大好きで、大切な、たった1人の我の弟なんあるから…」
「……はぃ」
鼻を啜る音が聞こえた。安心させる為に、さっきよりも優しく抱き寄せる。温かい。
少し経った時、落ち着いたのか、日本は下を向いたたま口を開いた。
「ありがとうございます、私も、中国さんのこと大好きです、」
「……それ聞いて安心したある」
日本はすっ、と顔を上げた。
「誕生日、おめでとうございます。中国さん」
顔に喜色を浮かべた彼の顔は、月明かりに照らされていた。
「谢谢。日本」
コメント
1件
一番の推しカプ、極東!!!!!めっちゃうれしい!!!!!