沢山お話をした後、沐宇様は急にお呼ばれして、俺の宮をあとにした。
「淋しいなあ…」
つい声が漏れる。机の上を片付けていた侍女が俺の声に違和感を持ったのか表情を少し変えた。
「あ、ごめんなさいね。少しお話しすぎてしまって喉が…」
「そ、それでしたら蜂蜜を準備いたしましょうか?」
「お願いしていいかしら」
「かしこまりました。桜綾様は自室でごゆっくりなられてください。あとは私達が片付けをするので」
「ありがとう、それじゃあお願いするわ。ありがとうね」
バレなくてよかった。安堵しながら自室へと向かった。
少ししたら帰ります
その言葉を信じて待つこと2時間。湯浴みを済ませ、寝間着に着替えたところだ。侍女にはまた声が漏れるといけないので下がってもらった。
甘く、安心する蜂蜜を食べながら少女漫画を読み切るため、奮闘している。
ー…私は、あなたのことが好きなのに…
「っ…!?//」
自分の心を読まれたような文章。
「す、き…‥/」
恥ずかしさが込み上げて、勢いよく本を閉じた。
「俺、好きなのか…/いや、好きだよ、な…//」
恥ずかしいよお、もう!
「桜綾様、夜分に申し訳ありません」
「どうかしたかしら?」
「…お客様が来られました。今度入宮予定の貴妃です」
「そうですか…通してもらえる?着替えるから」
「かしこまりました」
急いで着替え、客間に行く。派手な髪結いに控えめな衣装。釣り合いが取れていない感じの姫だ。
「ごきげんよう、皇太后。私は美玲と申します。」
丁寧に、そして控えめに。可愛らしい妃だ。
「ごきげんよう、美玲。遅くにありがとう」
「こちらこそです、皇太后。私の我儘でこのような時間に…!」
「何か、あったのかしら」
「い、いえ…!私は顔を見せに来ただけですので…後日またお邪魔させていただきます」
「ええ、まっているわ。ありがとう」
「はい、それでは…」
そして、姫は帰っていった。
おとなしい姫にあの髪型は似合わないなあ…せっかく顔も均等に取れているのだから柔らかい雰囲気でもいいのに、
「まあ、いいか…私は少し休むわね。片付けは明日でいいから」
「ありがとうございます、それでは」
「ええ、また明日、よろしくね」
侍女も帰らせたところで。
「ふう。疲れたあ…」
疲れなのか、何なのか、すごく眠たい。
や、やば…何か香が違う…?
香に手を伸ばす前に俺は動けなかった。
NEXT1000+コメ嬉しいです
遅くなりました…!なんかログインするとページが見当たらないって出てきて!
投稿できてよかったです★
コメント
12件
ここはまさかの大ピンチも気になるのですが、その前の、少女漫画を読んで相変わらず顔を赤くしちゃうお妃様が可愛過ぎて尊いです‼︎‼︎ 皇帝‼︎お妃様が大ピンチですー‼︎‼︎
あ、あぁ来たーーーー!!! ついに可愛い系でツンデレお嬢様が!懐く?懐く? 美玲ちゃん絶対かわいいじゃん!侍女なる?それとも養子? はたまたお気に入り?どの展開でも神過ぎる! ありがとう!世界にフィルターが付いた!
これはdnちゃんの危機か!? mf君急ぐんだ!