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私は深瀬さんと同じ高校に入った。深瀬さんは「別に一緒ではなくても、毎日市ノ瀬ちゃん(私)に会いに行くから、本当に行きたいところに行ってほしい。」と言ってくれたけど、やっぱり恋人と同じ高校のほうが、楽しいに決まってるので、深瀬さんと同じ高校にはいるために猛勉強した。

それを聞いた深瀬さんは嬉しくて泣いてしまったけれど(笑)

そんな私は、今、深瀬さんと初めてのお家デートをしている。

「家に恋人が来るなんて、ちょっと緊張してしまう…。ごめんなさいね。」

「全然大丈夫です。多分、私のほうが緊張していると思うので(笑)」

正直、先輩の家に行くってなったときは少し戸惑ったし、断ろうかとも思った。私なんかが、中学時代高嶺の花だった深瀬さんの家に足を踏み入れて良いのか不安だったからだ。

でも、私は深瀬さんの彼女だ。入る権利はあるはず。そう言い聞かせ、見事入ることに成功した。

深瀬さんの家は一軒家で、親と三人暮らしらしい。初めて深瀬さんのお母様にお会いしたけど、やっぱり深瀬さんはお母さん似なんだなってちょっと微笑ましくなった。とても優しい方で、すぐに仲良くなれた。

深瀬さんの部屋はとても可愛らしく、いつものクールな深瀬さんとは裏腹に、大きな可愛いくまさんのぬいぐるみがベッドに置かれてあった。

「このくまさんかわいいですね。いつも抱いて寝るんですか?」

「そ、そうね。その…くまさんが、市ノ瀬ちゃんに似てたから、クレーンゲームで必死に頑張って取ったの…。」

頬を真っ赤に染めながら、深瀬さんはそう言う。

なぜか私も顔が熱くなってしまう。

「そ、そうなんですね。」

「あ、あと…その…、今日はほんとに女友だちの家に遊びに来た感覚でいて。」

「なんでですか?」

「…え、いや、その、まだ心の準備ができてないから…。…別に、市ノ瀬ちゃんがその気なら今日でも別に構わないけ…ど…」

一瞬深瀬さんが顔を真っ赤にしている理由がわからなかったが、深瀬さんがベッドに視線を向けた途端、何を伝えようとしているのか一瞬で理解した。

「あ、そういうこと…!?あ…えと…だ、大丈夫です!すぐに手を出したりしませんから!!」

「いや別に嫌ってわけではないけれど…その…」

お互い顔を真っ赤にしながら、あたふたしていると、部屋にノックがかかる。

「今日はよくいらしたわ、市ノ瀬さん。いつも直美がお世話になっております。」

お茶を乗せたおぼんを持った深瀬さんのお母様が、丁寧にお辞儀する。私も急いでお辞儀した。

「とんでもないです…!こちらこそお世話になっていて…!」

「直美ったら、高校に入っても全然楽しそうじゃなかったのに、2年生に上がった途端とても楽しそうに学校行くもんだから、何があったかと思えば彼女ができたなんて言い出してねぇ。」

お母様はお茶を机に置きながらうれしそうにそう話す。

「どんな方かと思えば、とてもかわいらしくて礼儀正しい子だったからほんとに良かったわぁ。」

私は素直に受け止め、「そんなそんな〜、」と謙遜する。でも正直とても嬉しい。

すると、深瀬さんは私の近くに座り直し、

「そう…ほんとに可愛い子なの。とても優しくてね、笑顔が素敵で…。」

「もうそれは何回も聞いた。」

お母様は多少呆れながらも、嬉しそうに頷く。

私は思わず口元がニヤけそうになりながらもなんとか我慢する。

「じゃあ、ごゆっくり過ごしてね。お手洗いは廊下を右に進んだところにあるからね。」

丁寧に説明してくださったあと、そのまま部屋を後にした。

「ごめん、急にお母さんが…。」

「全然。むしろ、ちゃんとご挨拶できなくて申し訳ないです…。」

「まあ、お母さんはふわふわしてるから、そういうのあんまり気にしないと思う。今日は何も気にせずくつろいでね。」

「はい、ありがとうございます!」


「ー…それで、目の前でコケるものだから思わず笑ってしまって…。」

「ふははっ…!そんなの笑うに決まってます…!w」

「でしょう?w」

「はいw…あ、いけない、もうこんな時間。」

しばらくしてふと時計を見ると、時刻はもう午後6時を指していた。

話に熱中しすぎて、時間を気にしていなかった…。

「夕飯どきまですみません。もう帰ります。」

「そんな気を使わなくてもいい。ゆっくり支度して。」

「はい…。」


「もうここで大丈夫です。いざ離れるとなると、少し寂しくなっちゃいますね。」

深瀬さんは危ないからと、途中まで送ってくれたが、深瀬さんのほうが危ない気がしたので早めの段階で別れることにした。

「…正直、とても寂しい。やっぱりもうちょっと…」

「いいえ、もう暗くなりますし、深瀬さんも危ないのでほんとにここで大丈夫です。寂しいですけど…、、、。」

しばらく沈黙の時間が続く。

すると、深瀬さんは私の頬にそっとキスをした。

「…よ、夜、電話してもいいかしら…?」

…そのテクニック、一体どこで習ったんだか…

赤くなった顔をなるべく隠しながら、「はい…。」と答える。

ずるいな〜と思う。

深瀬さんは嬉しそうに笑うと、走って帰っていった。

私は思わずその場でへたり込んでしまう。

ずるいな〜…かわいいのは深瀬さんのほうなのに…。

しばらくは帰れそうになかった。

深瀬さんは今日も私を溺愛する

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百合だァァァァァァァァァ

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