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色々詰めるとこ
🧣🌵
ぐろめ
夢
いたい。
傷口が燃えるように痛い。
指先が冷たい。足の感覚がない。
“俺はお前が嫌いだ。”
“ずっとずっと、お前のことが嫌いだった。”
天井から落ちる光が、血の水溜まりを照らし、それに声の主が反射する。
赤いマフラー。青の縞模様と、縦の黄色いラインが2つ、見慣れた青いスニーカーが水溜まりを踏み潰す。
すぐに白い靴底はどす黒い赤に塗りつぶされる。
ああ。……嫌われてたんだな。俺ァ、……
“……ご”めん、…らっ______”
「はァッ!!!!!」
がばっ、と体を起こす。それで起きた風で髪が揺れる。
あれは、なんだ??……何処と無く懐かしさを感じる。あの、……雰囲気。声。
「おはよう。どーした?つぼ浦。変な夢でも見た?」
「……あお、せん。……ああ。そうみたいだぜ。はあ、まったく。1発ロケラン打ってスッキリしたいぜ」
「お前の気分転換は1000万すんだ。こまったなキャップも。」
懐かしいような……声。
あれ、……なんの夢見てたっけな。
「どんな夢?」
「……あー、ロケランが打てなくてな。アオセンがロケランになる夢だ。」
「何それ」
アハハ!なんて笑えば、ふう、と息をつく。
「じゃあ、俺仕事あるから、また」
「おう、じゃあな!」
手をヒラヒラと振って、本署を出てった。
“おい!起きろ!!!”
“死ぬなよ、おい、俺が治してやっから!!”
……あー、おれ、死ぬんだ。ダウンを超えて。
出血が止まらない、これはバグか?治療されても治らない。
あー、……手、俺の血で血まみれ。汗拭ったのかな、血がほっぺについてる。
“なにしてっ、……おい、……おい!!!”
あー、手に力入らないや、……
人間が死ぬ前って、聴覚だけ少し残るんだっけか……
“ぐちっ________”
「……、…あー、」
変な夢……
小雨が降っている。木の下で寝てたらびしょ濡れになるな。本署に入っておこう。
あーあ。……あんまり良くない夢だった。でも……
あの声。聞き覚えがある。
つぼ浦……?
「アオセン?おーい。こりゃダメか?……穴掘るしかねぇな、6mだっけかァ?」
「死んだことにしないでよ、生きてるよ。考え事してた。」
「……クソ、本当かそれァ。ちょっと失礼しますよ」
ガパッとヘルメットが外される。多分やつれてないはず、ちゃんと寝てるから。
「……す、………目元に炭塗りこみました?いや、タトゥーか?」
「ええ?そんなに???」
まじまじと俺の目を見るつぼ浦を見つめ返す。
……つぼ浦もじゃん。
「つぼ浦も、隈すごいね。」
「ア???寝てるが???……」
「ええ? 」
見合わせれば首を傾げる。
「最近、変な夢見るんだよね。 」
「偶然っすね。俺もっす。」
数秒の沈黙。
『一緒にねてみる?』
『一緒にねてみるか?』
また、数秒の沈黙。
「そうするか」
「つぼ浦のソファで寝よう。ブランケットあるから。」
「うす。」
もうすっかり、悪い犯罪者も、警察官も寝る時間。
二人で肩を寄せ合って、お互いの膝にブランケットを掛けて目を閉じた。
「院長、お疲れ様ですゥ、」
「あー、はいはい、そちらこそ、」
「あ、そうだな、…あなたの家、着いて行っていいですか?」
「無理ー、そこのベンチにすんでるから。」
「ホームレ」
「うるさいな」
綺麗な夕焼け、最後を飾るのにはとっておきだ。
二人でベンチに腰掛けて、1つ息をはく。
「楽しかったなあ、」
「そうか。よかったな。」
「寂しいけどね。まあ、白医者貫き通してよかったよ。」
二人の間はメディカルバック分空いている。
1人は肘掛に肘をかけ煙草をふかしている、もう1人は、スマートフォンで打ち込み作業をしている。
「……ふうー、……最後の一服。」
「俺も吸うかな。……火くれ。」
「はい。」
半分灰になった煙草の残り火が、新しい煙草に引火していく。
「シガーキスってやつ?」
「それ恋人同士がするやつな。」
手持ちの燃えカス入れに煙草を押し付けて消化する。
「……また、会おうね。ぐちつぼ」
「ああ、また会おう。らっだぁ」
夕日は、ほぼ隠れて、街を照らさなくなって行った。
書きたいの書いただけ