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「昨日は、ごめん」

買ってきた肉まんを食べ終えた頃、やっとミドリに話を切り出すことができた。

「いいよ。びっくりしたけど、全然平気!フウカにも色々あるんだよね」

話しやすい雰囲気を作ってくれたミドリに、今から伝えることを考えると申し訳なくなる。

でもきっと受け止めてくれると、心のどこかでそう思っていた。

「私、ミドリが好き」

「うん、私も好きだよ」

やっぱり同性だと、何も伝わらない。

「友達としてじゃなくて、恋愛で」

実際の一秒が五秒に感じるほど、ミドリの返事までの間が長く感じられた。

「…意味わかんない」

まるでミドリじゃないような、低い声に、その言葉に、頭を殴られたような衝撃を感じた。

「私フウカのことそんな目で見てなかった。フウカは、ずっと私のこと友達として、見てくれてなかったの?」

「違うよ、昨日好きって気づいて私、どうすればいいか分かんなくて」

予想外の反応に、呼吸の仕方を忘れそうになる。

「私、嫌。同性を好きになる人」

「え?」

丸めた肉まんの紙を投げつけられ、「出ていって」と言われた私は呆然とした。

次の瞬間、ドタドタと階段を上がる音が聞こえ、カケルくんが部屋に入ってきた。

「喧嘩、してるの?」

この反吐が出そうな状況に、いっそのこと自分なんて、産まれてこなければよかったと思った。私の中の何かが、はじけた。

「そんなの、意味わかんない!」

布団をミドリに目掛けて投げつけた。

なるべくミドリの方を見ずに私は家から逃げた。

次の瞬間、だった。

「火事だ!」

通りかかったおじさんが声を荒らげた。

まさかと思いミドリの家を見ると、二階、さっきまで私たちが喧嘩をしていたミドリの部屋が真っ赤な炎で包まれていた。

「ミドリ…!」

私はなんの躊躇も無く家の中に上がり込み、階段を上ろうとした。けど、ミドリが私の前に立ちはだかり、私の肩を力強く押した。

「来ないでっ」

私を強く睨むその目は、初めて見るものだった。私は階段から勢いよく転げ落ちる。それがスローモーションのように感じられた。

「なんで戻るの」

ミドリは何故か部屋に戻り、火は段々とこちらまで近づいてきていた。

その後のことは、よく覚えていない。おじさんが声を荒らげながら、私を家から離したことは曖昧だけど覚えていた。

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