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若き覇王に、甘くときめく恋を

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若き覇王に、甘くときめく恋を

95 - 第四章 永遠の愛を、二人で EP.2「ドキドキの久我邸へ訪問」⑧

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2025年03月05日

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色味の鮮やかなフルーツをゼリー寄せにして、その下にカスタードクリームを敷き詰めた丸いタルトを口に運ぶと、ほっぺたが落っこちそうなくらいに美味しかった。


「お店で売ってるのより、ずっと美味しいです」


「ハハ、それは源じいではないが、きっと作った者も喜ぶだろうな」


フォークを手に微笑う彼が、眩しいくらいに素敵に見える。


「……貴仁さんって、王子様みたいで」


ぽぅーっとその端正なルックスに見とれていたら、つい思っていたことが口からこぼれた。


「王子様? 私がか?」と、彼が首を傾げる。


「はい、ここがお城なら、きっと貴仁さんは王子様だろうなって」


口に出しちゃったからにはと、頭の中で膨らませていたイメージを、思い切って彼に明かした。


「そんな風に思ったこともなかったが……、」


と、彼が戸惑うように言葉を切って、


さすがに恥ずかしいことを言っちゃたかなと感じていると、


「……だがもしそうだとすれば、君は、プリンセスだな」


貴仁さんから不意にそう言われて、頬がじんと熱くなった。


「……私にはもったいなくて」


プリンセスだなんて柄でもないしと否定をすると、「いや」と、彼が首を振った。


「私が王子だったら、姫は君しかいないだろ……?」


……そんなことを、ちょっと照れ顔で問われたりしたら、私の方もいよいよ照れ照れになるしかなくて……。


「あっ……えっと、はい……」


熱くなる頰を隠すようにうつむいて、小さく答えると、


「姫と王子は、城でいつまでも幸せに暮らしました──と、いつの日にか言えるようになりたいものだな」


そう告げられて、頰どころか顔全体が言うまでもなく真っ赤になった。

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