※注意事項は前回と同じです。
🍌side
気が狂いそうだった。
貴方のことを考えていると、心臓が苦しくて辛くて、痛くてかなわなかった。
表面的に刺されるんじゃなくて、もっと内側から。
皮膚を内側から擦られるような恐怖感。
もう壊れてしまいそうな体の内部。
そうやってまた何度も、眠れない夜を過ごす。
🦍「…りー、…んりー、おんりー!」
🍌「っ!?はい、!」
🦍「どうしたの?何か最近ぼーっとしてるね」
自分、何してたんだっけ、今。
皆と撮影してて、それで、
🍌「…すみません。気をつけます」
撮影中なのに、こんなことやらかすなんて失礼にも程がある。
メンバーにも、視聴者さんにも。
🦍「何か悩みとかあったら聞くからね?」
ドズルさんは優しい。
皆、優しい。
けど、だけどさ、過度な優しさは辛いんだ。
今の俺に、救済措置なんてどこにもないんだ。
とことん落ちぶれてしまった自分を、彼ならどう思うだろうか。
見捨てられたくないのに、見切りをつけてほしいと願うのは、身勝手な俺の気持ちだろう。
⛄side
正直に言ってしまうと、バレンタインデーはおびただしい数のチョコを貰った。
真っ白な便箋に赤いハートのシール、なんて見慣れたものだった。
何となーく、ただ周りに流されて彼女ができたこともあった。
でも、本気で人を好きになったことがなかった。
🍌「おらふくーん、やろ!」
⛄「よっしゃやるか!」
努力家なところに、
かっこいいのに可愛いところに、
神経全部が惹きつけられた。
彼は、自分が純粋で無垢で愛らしいことを知らないんだろう。
滲みだすのは、作られた可愛らしさではなくただ純粋な愛らしさだ。
他人の目を意識しなくとも他人を引き寄せてしまう、そんな彼に嫉妬し、それ以上に憧れた。
あ、これが人に恋するって感覚なんやな、って
思った。
未知の領域に踏み込んだ気がして、嬉しいような、それでもすごく不安だった。
⛄「おんりー、」
🍌「…ごめん。最近迷惑ばっかで」
その瞳が見据えるのは、俺じゃない。
その心の奥底に思い描かれているのも、俺じゃない。
彼が好きなのは、俺じゃない。
理解するのにそう時間はかからなかった。
でも、撮影の度に未練を殺すことはできなかった。
⛄「…もう俺のこと突き落としてくれん?」
ならいっそ、おんりー本人が俺を奈落に落としてくれればいいのに。
でも、堕ちたのは俺だ。
許されない恋を、君の真っすぐな瞳から逸らす。
全部全部、夢だったらよかったのに
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